■人穴
日本の最高峰と言えば、ご存じのように霊峰富士山ですよね…。ある意味、国内随一のパワースポットですから周囲にはかなりの数のミステリアスな名所が点在しているのも事実でして…特にとりわけ独特な存在感を放っているのが「人穴」です。意外とご存じでない方も多いようなので、紹介しましょう。
場所は、富士山麓の富士宮市に位置する人穴浅間神社の境内なんですけど、その正体は長さ83メートルほどの溶岩洞窟で、穴の先は異界なのでは?と思わせるような雰囲気をかなり漂わせている場所で…。

穴そのものは古くからあったようなんですが、鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」には、探索を命じられた武士が家来を引き連れて人穴に入ったが、家来4人が謎の死を遂げ、武士自らも命からがら逃げ出したという話が載っている…。
ただね、この洞穴は後に江戸時代に流行した「富士講」の聖地にもなるんですけどね…。
富士講とは、山岳信仰の集団組織のひとつで、人穴で修行をしたという”角行”なる行者が開祖とされている。富士講の信者は富士登山で富士山を参拝し、その前後に人穴を参拝して巡礼したそうだ…。

鳥居をくぐると呪われる、人穴に入ると気がふれる…なんて噂は数が知れない…。
ただ、実際に入った印象からすると、暗闇の中で安置されている祠や石仏の姿を見ると、ここが決して侵してはいけない聖地だった事は、間違いない事実だと思いますよ…。