■聖杯
皆さんも聞いた事あると思いますけど、聖杯はイエス・キリストが最後の晩餐の時に使った杯だとされています。また、ある説では12世紀のフランスの詩人ロベール・ボロンによると、この杯でアリマタヤのヨセフが十字架の下でキリストの血を受け、これを持ってアヴァロンの島(イギリス伝承の異界)に渡ったのだ!としている。この聖杯を持つ者は世界を支配出来るとされている。いわば究極の魔道具とも言えるものなんですけど…。
聖杯とされる遺物は何故か複数あって、それぞれを所有する団体が、これこそ本物!と主張している。まず、エルサレム近くの教会で発見された銀製の杯(7世紀頃に発見されたが現在は行方不明)。1101年に発見されたジェノヴァ大聖堂にある緑色のガラスで出来たもの。また、スペインのバレンシア大聖堂にある暗赤色のメノウ製のものは、イエスの使徒の一人である、ペテロが持っていたものとされている。

テンプル騎士団は聖地エルサレムへの巡礼者を保護する目的で結成された修道士から成る騎士団なんですけど、彼らは1118年からエルサレム神殿を探索し、光り輝く聖杯を発見した!と言われている。その後、聖杯の秘密を守っていたが、1307年にフランスの王によって異端の嫌疑をかけられて潰滅させられた…。ただ、聖杯は騎士団ゆかりのセント・クレア家が秘蔵し、1440年に建てられた礼拝堂に今もあるという…。ワシントン等、多くのアメリカ大統領を輩出し、世界中の有名人が所属する秘密結社フリーメーソンの創始者はテンプル騎士団の生き残りであるという説があるのだけど、もしテンプル騎士団が所有していた聖杯が本物だったなら、それを受け継いだフリーメーソンが聖杯の力を使って世界を統治する力を手に入れたとしても不思議ではないですよね…。

17世紀のフランスの画家、ニコラ・プッサンが描いた「アルカディアの牧人たち」には主のわからない墓が描かれ、そこにラテン語で「Etln Arcadia Ego」(我はアルカディアにも在る)と書かれている。この文字を並び替えると「I Tego Arcana Dai」(立ち去れ!私は神の秘密を隠した)となる事から、この墓碑銘が聖杯の秘密を解く鍵ではないか?と考えられ、多くの研究がなされている。リチャード・アンドルーズという研究者は、これはキリストの墓であり南フランスの山中にあると結論づけている。また、1748年にイギリスのスタンフォードシアの庭園に建てられた石碑には「D.O.U.O.S.V.A.V.V.M」という文字が記されているが、これは失われた聖杯がどこにあるかを示す暗号と言い伝えられて来た代物で、ナチス・ドイツの暗号「エニグマ」を解読したイギリスのオリヴァー・ローンらが解読したとされている…。

私個人的には、聖杯はまだ誰も見つけていない気がするんですけど、聖杯自体がなかったとは思えないのですけど、皆さんどう思われますかね…?