■ラスプーチン
20世紀初頭、帝政ロシアのロマノフ王朝の宮廷に我が物顔で君臨した自称・祈祷僧のラスプーチン…。謎に包まれた経歴や特異な風貌から「怪僧」と呼ばれたが、彼の実像は未だに不明な点が多い。今、写真なんかで彼の風貌や姿見ても、異様なオーラというか、異質なもの感じる方も多いと思いますし…。
ラスプーチンは元々、シベリアの貧しい農村に生まれたが、突然「巡礼の旅に出る」と言い出し、姿を消す…。そして、十数年にも及ぶ旅で、何を何所でどうして来たか?は定かとされてないのだけど、彼は相手を圧倒する眼力と自信に満ちた説教の力を身につけ、次第に心服する人々も増えて行った…。
そんな特異な噂を耳にしたロシア皇帝ニコライ2世と皇后アレクサンドラは、病弱だった皇太子の祈祷を彼に依頼する。彼が祈祷すると皇太子の病状が見る見る治まったもので、皇帝夫妻から絶大な信頼を得るようになった。

ただ、一介の僧の横暴な振る舞いに、貴族たちは黙っている訳もなく、1916年12月25日、ラスプーチンの暗殺を実行する!貴族たちは平然を装い、ラスプーチンに毒入りのワインを飲ませるのだが、いくら経っても、彼が苦しむ様子はない…。痺れを切らした貴族たちは、短剣を引き抜き、急所めがけて突き刺す!それでも死ななかったため、貴族たちは4発の銃弾を放った!誰もが、「死んだ」と思ったその時、彼は不敵な笑みを浮べ立ち上がり、仁王立ちになる。彼の生命力に不気味さを覚えた貴族たちは、棍棒を握りありったけの力で叩きのめし、窓から道路にめがけて突き落とした!

かなりの怪人物であったのは、間違いないのだけど、相当不思議な能力者であったのも事実なんでしょうね…。彼について、ロシアの指導者はこう言っている。「ラスプーチンなくしてレーニンなし」と…。ただ、現在に至るまで、ロシア帝国崩壊の原因になった人物としてロシアの人たちから、相当嫌われていて、評判もすこぶる悪いそうです。