ちょっと不思議なおはなし

　人間の命にはというか肉体には、残念な事に限りがあるのは仕方のない事ですよね…。皆さんは、ギリシャ神話に登場する”モイライ”と呼ばれる三女神をご存知でしょうか？女神転生というアトラスのゲームをした事がある方は、よくご存知かも知れませんね？（笑）私的には、大好きなゲームなんですけど、モイライとは三人の女神の総称であって、単数ではモイラとも呼ばれている。 


　モイライは、クロト、ラケシス、アトロポスという名前の女神から成り立っていて、それぞれの名前には「紡ぐ者」「割り当てる者」「逃げられない者」という意味があるのね。このことから、この三女神は糸を紡いでおり、この紡がれた糸こそ人間の生命の糸である…と考えられるようになった…。 
 
　単数形のモイラという名前にも「割り当て」という意味があって、命を割り当てる＝寿命を決定する女神と考えられている。 
　モイライは薄暗い洞窟の中、クロトが生命の糸を紡ぎ出し、ラケシスが糸の長さ＝命の長さを測る、そしてアトロポスが大きな鋏で糸を断ち切る姿で描かれる事が多い。日々、暗闇でひたすら糸を紡いでは切り、紡いでは切っていく三人の姿は、女神たちとはいえ、かなり不気味で怖いですよね？ 
 
　ギリシャ神話の最高神といえば、”ゼウス”なんだけど、多数存在するギリシャ神話の神々の頂点に君臨するゼウスでさえ、及ばぬ領域があるようで、三女神モイライが紡ぎだす”運命の糸”もその一つといえるようで、ゼウスでさえモイライの決定した運命には従わざるをえない！「運命を決定する権限」はモイライの手中にあり、ゼウスはその「運命を執行する者」という事になる。但し、人間と神の世界を支配するゼウスより、モイライが上位という事ではなくて、あくまでも、ゼウスの王権下にあってのモイライが存在しているんだと…。 
　ゼウスをはじめ、神々の中には運命を変えるためにモイライを訪ねた！という話もある。アポロンもモイライに酒をすすめ、アドメトス王の不死を交渉し、交換条件を聞き出した！という話もあるが、基本的にモイライの運命の糸を操る事は、誰にも侵す事の出来ない領域で、三女神が担う役目を変える事は不可能らしい…。 
 
　もう一つ運命の糸の話で有名なのが、皆さんもよくご存知の”赤い糸の伝説”ですよね？この伝説は、中国の故事で「太平広記」の中に出てくる話で、中国語では、”紅線”と言われている。 
　結婚や縁結びをする月下老人（月老＝アエラオともいう）という老人の神様がいて、赤い糸を結びあうそうなの…。中国の皇帝なんかが生まれると、その月下老人にあやかって、生まれたばかりの赤ん坊同士の足首や足の指を結びあったんだそうです。 
 
　赤い糸の伝説のほうは、この頃、私自身が本当にあるんだなぁ~って、実感してたりしますね…。本当は、私たちって、魂的にとんでもない結びつきがある人が今世にもいて、その人と出会って、恋愛するために、真に結ばれるために生まれて来たのでは？って思えるくらいです。私は、その人のためにこれからも生きて、行きたいです…。