■ベトナム(11)・・・田舎の生活 (おまけの話)
(2013年7月18日) 朝起き出したら、この家の主はもう起きていた。
「シンチャオ」と挨拶する。その後が続かない。
ベトナム人の顔は日本人に似ている。
言葉をしゃべらなければ、どちらか分からない人が多くいる。
この家の主も、日本の田舎に行けばよくある顔である。
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田舎の朝は早い。
2日目の朝6時に、生徒達4人で村の市場に行った。
朝食の材料を買いに行くのである。
冷蔵庫など無いのが当たり前の村だから、誰でも食事の為の材料は毎朝、村の中心にある市場に買いに行く。
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もしかして冷蔵庫のある生活より、こちらの方が新鮮な物を食べられるのではないか?
市場には大勢の村人が来ていて、朝から賑わっている。
売っているものも色々とあり、見ているだけでも楽しい。
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どうも気になるのが、肉屋である。
生肉をただ並べているだけで、ハエがたかり腐らないかと心配だ。
売れ残ったら、どうするのだろうか?、これが気になる。
魚屋では海の魚と、川の魚の両方を売っている。
ナマズはみなの好物なのか、どこでも生きたまま売っている。
同じアルミの大きな入れ物に、生きた蛙が逃げないように縛られて入っている。
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野菜売りはどこも新鮮だ。
日本で売っているものと似ているが、たまに見たことの無いものもある。
オクラは大きく、日本の3倍はある。大根は小さい。
私は果物売り場で「ランブータン」と「ジャック・フルーツ」を買った。
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村人は初めて外国人を見たのだが、割合に親しげに笑顔で応えてくれる。カメラを向けると、笑ってくれる。
みんな親切なので、私は油断していた。
まさか、警察に密告する人がいるとは思わなかったのである。
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朝食の後にバスで帰る私達4人はバイク組と分かれ、先にバス停まで送ってもらう。男子生徒が「すぐ近くです」と言った言葉を真に受けて、バイクで出掛ける。
30分も走って着いた時には、バスの出発時刻に8分も遅れてしまった。
「乗り遅れたー!」と思ったら、それから2分してバスはやって来たのである。これを「ベトナム時間」というらしい。
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(おまけの話)
私が警察署から戻って朝食の時間となり、みんなが一堂に会した。
玄関のタイルの上に食べ物が用意されている。
海老の焼き物、ハマグリをココナツジュースで茹でたもの、生春巻き、イカと野菜の炒め物、スープ、ご飯とフルーツである。
この辺りは海老の養殖が盛んなようで、エビの焼き物は美味しかった。
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私が「美味しい」と言うと、生徒達は自分達の分まで私に寄越す。
この国では年長者や先生は偉いのである。
スープの鍋が廻って来たので、お椀に取ろうとして驚いた。
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昨日まで庭先で元気に遊んでいた、あのアヒルの頭とクチバシが入っているのが見えた。さすがに食べ難い。
頭は1つしかないので、年長者に食べてもらうらしい。
では炒め物に入っていた肉は、昨日のあのニワトリか?
自給自足と言うと恰好が良いように聞こえるが、田舎の生活というのはこういうことである。
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