■懐かしい伊達市と壮瞥町の人々
気温が高くなり梅雨が近付くと、伊達市のことを思い出す。
以前なら、そろそろ伊達市に行く準備を始める頃だ。
伊達市に持参するものを準備したり、カーフェリーの予約をする。
トーヤレイクGCには、コテージ「桜の家」の予約をする。
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5月17日に伊達市のHさんがわざわざ撮影に行ってくれた。
以前のそんな当たり前のことをしなくなって、もう10年目の夏を迎える。「10年ひと昔」と言うが、「もう10年も経ってしまったかー」と感慨に耽る。
するとあの頃に伊達市で知り合い、お世話になった人達の顔が目に浮かぶ。その中の1人である、長老のXさんのことが気になった。
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そこでXさんの息子さんと交流がある、Hさんにメールで問い合わせてみた。するとしばらくしてから、Xさん本人から我が家に電話が掛かって来た。
電話機の番号表示を見ると、「0142」と出ていたので、北海道からと分かった。受話器から聞こえて来た声は、紛れもなくXさんだった。
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かなり前に体調を崩していると聞いていたので、受話器から聞こえる元気そうなXさんの声に私は安心した。それから長々と色々な話をした。
Xさんは私よりかなり年長なので、年相応に体に不具合も起きているそうだ。私はそちらの様子を聞きたいのに、Xさんは夫婦で東京に来た時の話を懐かしそうに何度も話した。
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もう10年も前のことだろうと思うが、Xさん夫婦は私達の家を訪ねてくれた。私は2人の為に色々な企画を立てた。
Xさんは食べ物のことを良く覚えていて、「新宿でご馳走になったカウンター式の天婦羅は、あんな美味しいものはなかった」、「銀座の鰻屋も美味しかった」と懐かしそうに話していた。
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私が伊達市に滞在していて気が付いたことがあった。
それは「天婦羅」と「うなぎ」の文化がお粗末だということだった。
それでXさん夫婦に東京の美味しい「天婦羅」と、「うなぎ」を食べてもらいたかったのである。この2つが気に入ってくれて、今でも思い出しているとは嬉しいことだ。
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また、「富士山の近くに連れて行ってもらったのも、とても嬉しかった」と言っていた。
「富士は日本一の山」と言うが、見慣れた私には感激は無いが、富士山を見る機会の無い北海道の人には貴重な体験だったようだ。
私達が伊達市でお世話になった9年間に比べれば、東京に来た時だけのXさんの御世話なんて大したことではない。
Xさんの思い出に残ることが出来て、私は嬉しかった。
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(おまけの話)
伊達市のHさんのお陰で、長老のXさんと電話で話が出来た。
そのHさんが送ってくれたメールに、桜の花の終りを告げる伊達市の町の写真が添付されていた。東京の桜は4月初旬で終る。
だから今頃の桜の写真は、東京の私にとっては、なんだか「伸びた蕎麦」みたいな感じがした。こんな時に「日本は南北に長いなー」と感じる。
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5月16日に壮瞥町の農園のIさんから電話があった。
Iさんには、いつも「ブルーベリー」や「リンゴ」を注文している。
彼の話では「壮瞥町ではコロナ感染者は出ていない。海外からの観光客が全く来ないので、経営的には厳しい。今年のイチゴはなんとか、送りと店売りで済んだ」と話していた。
農家は台風、大雪、強風などで、いつも自然に虐められているのに、コロナにまで虐められいて全く気の毒である。
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壮瞥町のHさんにメールを出したら、すぐに返信があった。
「長年、女房が続けたお店を閉めた」と、書いてあった。
そろそろ終活かな?と思った。
彼は私より少し年長だが、相変わらず本格的な家庭菜園とゴルフはやっているようだ。壮瞥町に住んでいれば、あまりお金が掛からずに自然と遊ぶことが出来る。羨ましい老後生活である。
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