■築地本願寺の「花まつり」
最近はあまり聞かなくなってしまった言葉に、「花まつり」がある。 これは仏教では「お釈迦様の誕生を祝う祭」であり、私の子供の頃には身近な行事だった。
お釈迦様が生まれた時に、空から甘露の雨が降りそそいだことから、誕生仏に甘茶を掛けてお祝いするようになったのだそうだ。
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なぜこんな話になったかというと、新聞の折り込み広告に「築地本願寺の花まつり」のお知らせのチラシが入っていたからである。
それによると、4月7日(日)の午前10時から午後4時まで、本願寺で色々なイベントがあるようだが、殆どのイベントが子供向けだった。
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築地本願寺は開かれたお寺を目指して、色々な企画を打ち出している。
なにしろ住職に当たる宗務長が以前は大手銀行管理職からコンサルタント会社を経て、現在もコンサルタント会社の代表取締役で、MBAも取得している異例の宗教家である。
だからやることが進んでいて、銀座通りにサテライト寺院も出している。
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次男でお墓の無かった私は宗派を変えてこのお寺の門徒となり、毎月16日は午前7時からの僧侶の読経に参加して、その後の「朝がゆ」を楽しみにしている不真面目な門徒である。
「花まつり」の様子を見に行った私は、最近になって本を読んで知った「間新六」と「酒井抱水」の碑を見に行った。
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「間 新六」とは、忠臣蔵で有名な「四十七士」の中の1人で、ただ1人だけ泉岳寺に葬られていない義士である。
この事情は「毛利邸で切腹した間新六は縁婿が遺骸を引き取り、菩提寺の築地本願寺に葬ったことによるそうだ。当時の切腹はかなり形式的になっていて、腹を切る前に介錯人が首を切り落とすのが当りまえのところを、新六のみは介錯人が刀を振り下ろす前に腹一文字に切って果てたと言われている。
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更に後になって話しを面白くするために、「間新六は討ち入り後の引き揚げの途中、通りかかった菩提寺の築地本願寺に五両の金と共に槍を投げ入れて、(菩提を弔ってくれ)と願ったと言われていて、その槍は非公開だが現在も本願寺に安置されている。」というのは作り話のようだ。
でも間新六の小さな墓は確かにあった。
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その他には江戸時代の絵師で「酒井抱水」の墓もある。
現在は築地本願寺の境内にはこの2人の墓ともう1人の墓以外には、供養塔しかないようだ。
酒井抱水は江戸琳派の創始的絵師で、「なんでも鑑定団」にも時々、偽物が登場する。基本的に築地本願寺では墓地は郊外に作られた場所で、この場所に墓を持ちたければ私のようにロッカー式になる。
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(おまけの話)
俳人の松尾芭蕉は深川に住み、そこから「奥の細道」に出発した。
そんな縁から、この辺りには松尾芭蕉の碑も多く見られる。
ネット情報で初めて知ったが、築地本願寺に松尾芭蕉の碑があると知った。
同じくネットで、築地本願寺と松尾芭蕉の縁を調べたが、全く分からなかった。
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「花まつり」の日に築地本願寺で松尾芭蕉の碑の写真を撮りに行ったが、どこに無い。守衛に聞いても分からないので、家に帰ってからネットで調べた。
すると「本願寺の境内の整備の際に、取り払われた」と分かった。
その理由は「当院と松尾芭蕉との特別な縁が無いから」ということのようだった。
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「それなら最初から碑など立てなきゃ良かったのに・・・」と思ったが、まあいいかー。
そこで最近はアメリカでも英語の俳句が流行っているそうなので、松尾芭蕉の有名な句を英語で調べてみた。
「古池や 蛙飛び込む 水の音」・・・「Old pond /Frogs Jumped in/Sound of water」
私はバイリンガルじゃないので分からないが、この英訳でアメリカ人に俳句の心が伝わっているのか心配だ。
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