■伊達から届いた新米
我が家で食べるお米は12年くらい前から、北海道産の「ゆめぴりか」になった。私達が伊達市に縁が出来て、夏の間に滞在するようになった当初は「ゆめぴりか」は無かった。 その頃は現地で「ななつぼし」や「きらら397」や「おぼろづき」を食べていた。どれも新潟産コシヒカリと同程度には美味しかった。
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ところが10年くらい前に、農家の菅原さんが『ゆめぴかを買えるが、食べたいですか?』と聞いた。
珍しもの好きの私には、断る理由はなにも無い。
これを食べてみて美味しいのに驚いた。とても北海道で収穫された米とは思えなかった。それ以来、現在に至るまで浮気をせずに「ゆめぴりか」のみを食べている。
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「ゆめぴりか」は伊達市の農家の菅原さんに注文している。
彼は伊達市の農家の親分みたいな男で、「お伊っ達本舗」という団体を組織して、農家の活性化に努力している。
でも、残念ながら彼自身は米を作っていなくて、レタス専業である。
我が家は2~3ヵ月に一度くらいの割合で、菅原さんに「ゆめぴりか」を注文している。
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9月になると、東京では日本各地の新米が売り出される。
丁度そんな時に我が家の在庫の米が残り少なくなって来たが、この時期に菅原さんに古米を注文するのもなーと思い、伊達産の「ゆめぴりか」が採れるまでは他県の米で我慢することにした。
そして、銀座の三越デパートに行き米売り場で島根県さんの「つやひめ」を1.8キロ買って来た。
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三越で買った米が夕食に出て来た。「これが新米の味かなー?」と私。
女房も同じ意見だった。昨日まで我が家で食べていた「ゆめぴりか」の古米よりも不味い。同じ米でも、こんなに違う。
伊達市に思い入れがあるから、「ゆめぴりか」が美味しいと感じているのではない。過去にはカルフォルニアでも米も食べた。
ベトナムでも、タイでも、台湾でも、中国でも、インドでも現地米を食べた。私は米を食べ続けて76年にもなるから、旨い米の味は自分で判断できる。
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その後、10月19日になって、やっと伊達市の菅原さんから「ゆめぴりか」の新米が届いた。早速、女房は夕食に「ゆめぴりか」を炊いた。
美味しい米を味わう時は、立派なオカズは邪魔になる。肉料理は要らない。海苔に糠味噌漬だけでも良いが、更にそれに塩鮭などがあればなお良い。
美味しい米を味わう時は、例えて言えば「名優の演技を楽しむなら、1人芝居が良い」と同じだ。
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炊き立ての熱々の「ゆめぴりか」を、そっと口に運ぶ。
続いて「ヌカミソの茄子」を口に運び、じっくりと米の味を噛みしめる。この瞬間が堪らない。
大きな感動が押し寄せる。みそ汁を一口飲んで、また米に向かう。
たかが「ゆめぴりか」で、こんなに私を幸福にしてくれるのだから、「日本人に生まれて良かった」と「ゆめぴりか」を食べながら思ったのである。
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(おまけの話)
9月6日未明に起きた苫小牧近くで起きた震度7の地震は、想像以上の被害をもたらした。私は伊達市の友人達が心配になり、なん人かにメールで問い合わせた。
そんな中で一番被害が大きかったのが、壮瞥町の 岩倉果樹園だった。
地震の直接の被害というより、停電の被害が大きかった。
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私の世代は停電しても、「その内に直るだろう」くらいにしか思わない。特に私はベトナム滞在中に、しょっちゅう停電を経験しているので、あまり気にしていなかった。
ところが岩倉果樹園では収穫済みのブルーベリーを冷凍庫に保存しているので、それが駄目になる恐れがあった。
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少しでもお役に立てればと思い岩倉さんに4キロを注文したら、翌日の午前9時には電気が来たそうだ。
9月15日に冷凍保存で、我が家に4キロのブルーベリーが届いた。
早速、発泡スチロールの箱から出して、食べてみる。凄く美味しい。
いつもはアメリカ産を食べている女房は、「岩倉さんの奥さんが手で摘んだと思うと、安心だ」と言った。さすがに4キロは多い。
私は毎朝、ヨーグルトに入れて食べている。しばらくは楽しめそうだ。
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友人達にもお裾分けしたら、すぐに無くなり、追加で注文をした。