■若さを自慢するジジイ
60歳を境に、男は見た目が大いに変る。 同窓会などに行くと、「こいつは誰だ」と思うほど老けてしまった奴がいる一方で、いつまでも黒髪で変らぬ奴もいる。
それはそれで構わない。
先祖から受け継いだDNAのなせる業か、その人の通って来た人生を映しているのだから・・・。
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だが、その一方でいつまでも若さを自慢しているジジイとか、元気さを売り物にしているジジイがいる。
どう自慢してみても、20代の若者に敵うはずもない。
人は段々と老いて行くように出来ているのだから、あまり無理して自然現象に逆らわない方が良いし、見苦しい。
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映画俳優の加山雄三は74歳になった今でも「若大将」を売り物しているが、なんだか痛々しい。
また少し前には、ロックンローラーの内田裕也が71歳にもなって、女性にストーカー行為を働いて逮捕された。
若さや元気さを自慢していると、こういうことも起きる。
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年をとるのは自然のことなのだから、あまり目立たないように年をとり、静かに過ごすのが良い。
徒然草の第七段にもある。
「長くとも、四十に足らぬほどにて死なんこそ、めやすかるべけれ」。
ただ、現代は当時と違い栄養状態が非常に良いので、「四十」を「六十」に置き換えても良いかもしれない。
だから、私の69歳は締め切りをオーバーしているのだから、変な若さを自慢しないで、静かにして行こうと私は思う。
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(おまけの話)
少し前までは電車で席を譲られると、頑なに断っていた。
「まだそんな年じゃない!」と言いたかったのである。
ところが最近は、席を譲ってもらいたいと思うようになった。疲れていて、「席に座りたいなー」と思っている時に限って、誰も席を譲ってくれないし、若者は寝たふりなんかしている。
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最近の若者は残業続きで疲れているのだろうと、同情する。そこで少し頭を使い、優先席に近いドアの前で電車を待つことを覚えた。
ところが電車が来てみたら、優先席は満席だった。
そんな時に限って、普通席に空きがある。
でも、そこへ移動する前に塞がってしまった。
都会の年寄りも、結構辛いのである。