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子離れ

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いつも行く郵便局に行った時に、ウチのカミさんが落とした写真ではないかと局長に女の子の写真を見せられた。ATMの防犯カメラにカミさんの財布かなにかから落ちたのが映っていたらしい。
3-4歳くらいの腫れぼったい目をしてピースをしているその女の子には、どこか見覚えがあったが、俺は「わからないなあ」と答えた。
それでも「帰ったら奥さんに聞いてみてくれ」と言われたので、早速家に帰ってすぐにカミさんに聞いてみた。
すると少し考えて、「やだ、それウチの娘のだわ」というではないか。
俺は少し驚いた。自分の娘の顔を認識できなかったのだ。
「え?あんな顔してたっけ?」と聞くと、昔この娘を保育園に預ける時に、いつも泣いて嫌がるのを無理やり置き去りにし、そうしてよく泣き腫らしていた頃の顔だったということで、かわいそうなことをした自分への戒めのために、いつも携えている写真だということだった。
それは知らなかった・・・。

取りに行くように言われたので、すぐに郵便局に引き返して「いやあ、ウチの娘でした・・・」と照れ笑いをしながら写真を受け取った。
家に持ち帰ると、カミさんは写真を見ながら「これ、しばらく見ていなかったけど・・・もう持ち歩かなくていいかな・・・」と言い、どうやらそれを手放すことにしたようだ。

我々の最後の子となるその娘も成人し、今年から就職をする。
卒業式で着るというドレスを嬉しそうに着るその様子にもう昔の娘の面影はない。
小娘は大人の女性になった。これから輝く人生が待っている。
カミさんもそろそろ子離れするタイミングが来たということだ。
このあと我々が生き続ければ、彼女がオバさんになり、もしかしたらおばあさんになるのを見るかもしれない。そのときはどんな気持ちになって娘を見ているのだろうか。

やはり人生はあっという間に終わってしまうなと思った。

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犬と暮らしとカヤックと

kayaker

豊浦町でワンコたちと暮らし、たまに海で遊ぶ日常をつづります。

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