ワンズの散歩で港に出たら見慣れぬものが置いてあったので近づいてみた。
おー、これは海の上にプカプカと浮いているやつではないか。
なるほど、これで海路の標識となるのかな?と思ったが、家に帰って少し調べたところ、どうやらこれは「観測ブイ」というものらしい。メンテナンスかなにかで陸揚げされているのだろう。

このブイはセンサーをつけてリアルタイムに海水の状況(波高、波周期、風速、海水温など)を伝える役割を果たしている。
特に近年の深刻な課題としては、海水温の上昇があり、これをいち早く漁師に伝える。
というのは、海水温が高くなると冷水を好むホタテは死んでしまうので、海水温が上昇してくるときには、ホタテが入った養殖カゴをより深い層(20mとか)に沈める必要があるからだ。わずか1-2度の差でも生存率を高めることができるらしいから、この作業はホタテ養殖においては、とても重要な作業となる。
では最初から深く沈めておけばいいのでは?と思うのだが、普段から深すぎると今度はエサのプランクトンが減るとか、冷たすぎると成長せず、出荷が遅れるなどいろいろとデメリットも多くなる。だから最適な深度で海の中の帆立を管理するというのはとても重要なのようだ。

そして、この深さを変える(タナを変える)作業は実に過酷を極めるらしい。何キロにもわたる幹縄に数百以上のホタテが入ったカゴがぶら下がっていて、その一つ一つのカゴが数十kgにもなるという。これらを船のクレーンを使って引き上げながら、ロープの長さを調整して再び沈めていく。早く沈めないと全滅してしまうという時間との戦いの中、かなり大変な作業なのである。だから、このブイからの海水温の上昇が伝えられたときは、過酷な作業の合図ということになろう。
こうした夏場の作業のみならず、冬でも気温がマイナス10度とか、凍てつく海の上で船上作業をしている漁師たちをいつも居間から眺めているわけだが、ちょっと俺には無理だなー。
海に出て、網を投げて元手がタダの魚を揚げてくればいいという、一見して楽な商売だという漁師の仕事の認識は改めた方がいいのである。
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