12月10日に定置網が終わるタイミングで貫気別川河口付近でもサケ釣りができるようになり、豊浦の貫気別川寄りの桟橋は今も釣り人で賑わっている。

今シーズンの秋サケは、えりも以東では前年比さらに大きく落ち込む一方、噴火湾では前年以上の母川回帰が見込めるようだが、北海道立総合研究機構によるとここ10年来は、ほぼ右肩下がりで全体的に秋サケの来遊数は毎年減少しており、10年前の半分ほどとなっているらしい。ちなみに秋サケの回帰率は北海道で現状2%ほど。100匹放流して2匹という。一方で本州での回帰率は0.2%程度と壊滅的である。
こうしたサケの回帰率の減少はさまざまな要因が重なって起きているようだが、海水温が世界的に上昇していることはどうやら大きな要因のようだ。南方からの高水温の海流がオホーツク海を経てベーリング海に向かう稚魚の泳ぎを阻害しているなど仮説もある。
他にも放流の時期を含めた方法などもその原因にあるようだが、北海道界隈では一方でサバの獲れ高がずっと良いというのは、海水温に関係して移動してきているサバがサケの稚魚を食べてしまっているということにもつながっているのではという説は興味深かった。
俺がこの地域に来た頃から10年くらい前までは、秋に漁業祭りというものがあって、プールのような大きな水槽にはいってつかみ取りをして、メスに当たればいくらが手に入るので大喜びというイベントもあったが、今ではそういうお祭りもなくなった。
海水温の変化は、地球全体の温暖化とどう関係するのかわからないが、地球自体が起こす大きなサイクルに、そもそも人間が制御できるはずもない。最近はあのビル・ゲイツでさえ温暖化対策は排出量や気温変化よりも生活の向上に再び焦点を当てるべきと主張を転換している。となればこの先、北海道でサケが獲れ続けるようにするには、サケの稚魚の強化ができるスーパー餌の開発か、果てはサケのDNA操作による品種改良くらいしか手はないのかもしれない。
しかし、よく考えてみればそれも人間の勝手にも思えるわけで・・・
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