日本が誇る世界的数学者の岡潔の話を聞いた。
彼はそこで情報過多の時代の情報への向き合い方を述べている。
とても参考になったので咀嚼してみる。
結論として、岡は情緒が肝心だと言っている。
どういうことか?

窓の向きを決める
まず情報は集めるほど選択肢が増えてくる。だからやたら集めても意味がない。集めるにはまず問題が立っていないといけない。何のために集めるのか。まずはそこで必要な情報は強く光る。
情緒で情報をふるいにかける
本当に大事なものは、まず心が受け取り、後から頭が理解する。
情緒とは気分や好き嫌いではなく、静かで深いところにある馴染みの感覚。どこかで知っていたような感じが動く時、その情報は君の中心に触れている。
最初の部分で心が少し静かになるか?懐かしい感じはあるか?
そのどちらもなければ読み進める必要はない。
決める回数を減らす
情報を集めるたびに選択肢が増える。
音にはその間に沈黙があるから旋律ができる。だから決めない時間、選ばない時間が旋律の形を作る。
忘れることを味方につける
よく忘れることは問題ない。
情緒に刻まれた形、すなわち「印象」は心に染み込み、完全にきえないものとして残る。
どこが自分の心にひっかかったかだけ一言添える。
結論
情報は自分の基準を決めて情緒を通して受け入れ、その静けさの中で本当の理解がゆっくりと姿を表す。
感想
物事を理解する上で大切なのは自分の情緒を通すという岡の考えは、理論で成り立つ数学を扱う者のそれとは思えないが、数学を極めることで彼はそれを越える心の世界、芸術、神の世界のようなものを認識し、それを情緒に例えたのであろう。ではそもそも彼は情緒とは何と例えたか?
彼はそれを、「野に咲く一輪のスミレを美しいと思う心」と表した。そして、数学の営みは「おのれの情緒を外部に表出する学問芸術」であり「情緒を表現して数学を創造する」ことだとも言っている。
この話は理屈ではなく、情緒から受け止める本来の日本人の生き方の大切さを説いていると思った。
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