最近よく夢をみるのだが、
俺には昔から同じ夢を繰り返しみる傾向があるのかもしれない。みんなそうなのだろうか?
それは反復夢というらしく、多くは過去のトラウマなどのストレスの記憶がもらたすと考えられている。ただ、よくアクション映画の主人公が同じ悪夢にうなされて、汗だくになって起こされるようなフラッシュバック型の夢ではなく、同じストーリー、状況で展開する普通の夢である。

ひとつめの反復夢は禁煙のときの夢。
俺は28歳のときに10年くらい、1日1箱くらいを吸っていた喫煙をやめた。
きっかけは長女が誕生したことだった。
当時大きな会社でサラリーマンをやっていた俺は、バブル期でもあったのだが、大いに無駄遣いをしていたことで金欠に陥っており、どうしてもお金が必要であった。
そこで思いついたのが禁煙の賭けであった。
今から考えると賭け事は違法なのだが、単純賭博罪の時効は3年だし、まあ30年以上前の話なので多めに見てほしい。
何をやったかというと、つまり、職場や周囲の友人たちと、俺が禁煙できるかで賭けたのだ。
当時、職場の同僚とはよくジャンケンや電話帳めくりで昼食代などを賭けたりしていた環境にあったから思いついたのかもしれない。
その内容は、向こう1ヶ月、俺が喫煙する姿を見られないこと、あるいはタバコやライターの所持が認められない場合は、ひとり10,000円ずつ、みなさんから預かる。ただし、その後一生のうち一回でも喫煙やその証拠が見つかったら、全員に倍にして返すこと。つまり、そのあとで喫煙の証拠が見つかったら預かった分も入れるとひとり30,000円にしてバックするという条件でみんなはそれに乗ってくれた。
この条件で16万円を集めた。躍起になって喫煙の証拠を掴もうとした連中を尻目に、なんとか1ヶ月の禁煙をやりとげたのだ。俺はその金で家にエアコンをつけた。
そしてその後、しばらくは頻繁に繰り返し同じ夢を見た。
それは、居酒屋などで同僚たちと飲み会をしているときに、机の下に灰皿を隠してタバコを吸っている自分に気づき、「あ、気づかれたな?やばい!」と慌てて火を消すという内容の夢だ。
実はその2-3年後に、この会社を辞めてしまい、東京から北海道に移住したので、みんな「騙された」と怒っていたが、この恐怖にかられる夢についてはしばらく続いた。
しかしその頻度も1ヶ月に1回が数ヶ月に1回になり、やがていつの間にか見なくなった。
無事昇華したようだ。
そしてふたつめの反復夢は今も続いている。
それは大学時代に学生として受講している状況である。
学生時代、俺は恥ずかしながらほとんど受講をせず、遊び呆ける中、試験前に講義内容のノートをまじめな学生から入手してはなんとか単位を取得して凌いだ。ラッキーにも無事卒業はできたが、試験期間が近づき、一度も出席したことのない講義の教室に入っていくときの緊張感は今でも感触として残っている。この200人も入いるだろうという大教室にに入室したときの状況こそが、今でも繰り返し反復夢として出てくるのである。
ただ、その夢の中で自分の立場はその都度変わり、当時の学生である自分であったり、社会人になってなぜかまた大学に入り直して卒業しようとしている自分だったり、いくつかパターンがあるのだが、このアウェイ感はいつも同じで「このままではやばい。なんとかしなければ単位を落とす・・・」と焦燥感にかられるのである。
実に今から40年以上前の出来事をずっと引きずっているのはすごいことだと思うが、自分のどこか深いところにこのなんとも不安な感触が深く刻まれているのであろう。いやゆるトラウマだ。
深層心理、潜在意識ってすごい。
今は表層心理、顕在意識でこれを認めて自分を許して癒してあげたい。
もう単位を落とすことはないんだよ、と・・・・。
まあこんなことを言うと、当時高い授業料を払っていた親父は「ばかやろう。お前、何言ってんだ・・・」とあの世で呆れるのだろうが。

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