
日本食は実に多様で豊かだ。いつしか、それは自分が日本人であることを誇らしく思う理由の一つになっていた。
海外に滞在すると、その土地の食文化に触れることになる。しかし、最初は目新しくおいしいと感じた料理も、1週間も経てば飽きてしまう。アメリカに1年半ほど暮らしていた頃、まだ若かったにもかかわらず、日本食が恋しくて日本料理店の近くにわざわざアパートを借りたほどだった。
日本食には飽きが来ない。それは日本人だからという理由もあるだろうが、改めて考えてみれば、多種多様なおいしい料理があるからこそだろう。外国人が日本においしいものを求めてやって来るのも、自然な流れである。
ただし、何をもって日本食と定義するかは難しい。もともとは中華やフレンチに由来するものも少なくない。ラーメンやトンカツがその代表例だ。ナポリタンのようなパスタも、本場イタリアのそれとは異なる。つまり、いわゆる日本食とは「日本風にアレンジされた料理」と言えるのではないだろうか。
外国人に人気の日本食といえば、寿司、ラーメン、お好み焼き、天ぷら、トンカツ、焼き鳥、うなぎ、鉄板焼き、そば……。コンビニで売られているおにぎりやスナック菓子にさえ、彼らは感動する。
我々にとっては当たり前のこうした食べ物が、なぜ近年になって外国人にも広く認められるようになったのだろう。不思議なことではあるが、改めて日本食の魅力を再認識させられる日々である。

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