前回の話
山口の友人に会いに行くついでに寄った出雲大社前の宿に着いたが・・・
出雲大社にお参りする際には、
「稲佐の浜で砂を持って行ってお清めしてもらうのがいい」と
豊浦神社の権禰宜に教えてもらった。
出雲大社といえば、
八百万の神々が集まる古の神社である。
旧暦の10月は出雲大社に出張に出かける全国の神々が
地元からいなくなるので、
それゆえ神無月(かんなづき)と言われるが、
この地では逆で、全国が神々が集まってくるこの月は
神在月(かみありづき)と言われる。
その神々が1年に1回集まり、到着する浜が
出雲大社の1kmほど西にある
この稲佐の浜(いなさのはま)だ。
伝えられる「国譲り神話」では、
地上界(葦原中国/あしはらのなかつくに)の
大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が
天上界(高天原/たかまのはら)の天照大神(あまてらすおおみかみ)に
国を譲るわけだが、
天照大神が送った3番目の使者(国武甕槌神(たけみかづちのかみ))たちが
降り立って、この交渉が行われた場所がこの浜とされている。
(先に送られた2人の使者は交渉に失敗するどころか、地上に住み着いてしまったというから笑ってしまう・・・)
参道を大社に向かって歩き始めたが、
まだ夕方だというのに人がいない。
車もほとんど通らない。
店も全部閉まっていて
なんか不思議な静謐さが漂っていた。
お盆明けだったが、観光シーズンも終わり、
みなさんお疲れだったのだろうか。
大社前まで来てから西に向かう道を歩いた。
日没の時間が迫っていたので
ちょうど太陽に向かって歩くことになった。
この道は神々が稲佐の浜に着いてから
大社に向かう通り道である。
狭い路地を歩いたが、人も車もいない。
たまにすれ違う人たちは軽く会釈をして通り過ぎていく。
観光者に対するおもてなしなのかなー。
こんな寂しい路地ではあるが、さすが神が通る道だけあって
なんとなく千と千尋の雰囲気が漂っていた。
そして完全逆光の世界がまた良いのだ!!
そんな路地をしばらく歩くと、
その先にやっと海が見えてきた。
海に出るとそこには砂浜が広がっていた。
稲佐の浜である。
ちょうど日が沈む時間となっていたが、
この日は、素晴らしい夕景を狙って
多くの人が集まっていた。
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