私にとっては身近だった東京オリンピックが8月8日に終った。
日本選手の活躍は目覚ましく、金メダル・・27個、銀メダル・・14個、銅メダル・・17個だった。
ご同慶の至りである。
一方で競技会場から遠く離れた人達にとっては、オリンピックはあまり身近に感じなかったのではないかと思う。競技会場は無観客だし、当てにしていた外国人観光客も全くいないからである。

私はオリンピック村が近いので、時々、見に行っているが、中が見えないので面白くない。
中にいる選手達も外に出られないので、同じく面白くないだろうと思う。
そんな時にニュースでは、「何人かの選手達が選手村を抜け出して近くのコンビニに買い物に行っている」と報道された。そこで私は早速、そのコンビニに行ってみたが、許可をされているイタリアチームの車が来ていただけだった。

オリンピックのボランティアの人達に、よく出会う。
彼等はお揃いのブルーのTシャツ姿で、勝どき駅から選手村まで歩いている。
連日のように中央区では「熱中症警報」が出ている中を、大変な業務が待っている。
JOCは「家からユニフォームを着てこい」と指示しているらしい。
着替え場所も無いからのようだが、ヨレヨレになって歩いている姿を見ると気の毒になっている。

57年前の東京オリンピックの時は、三波春夫が歌ってヒットした「東京五輪音頭」があった。
その頃は「いつでも、どこでも」、この音頭が流れていて、自然と歌詞を覚えてしまった。
特に歌詞の一節である「オリンピックの顔と顔、それトトント トトント 顔と顔」がいまだに耳から離れない。
今回の東京オリンピックでも、東京五輪音頭が「東京2020組織委員会」によって作られた。
私はこのCDを持っているが、今までにTVでもラジオでも、音頭が流れているのを聞いたことがない。

家の窓から元築地市場の跡地に作られた、オリンピック関係者の送迎用大型バスの駐車場が見える。
いつも気にして見ているのだが、バスが出払うことは無い。
常に70~80%のバスは停まったままで、「いつ使うのだろう?」と気になっていた。
結局、最後まで使われずに終ったが、海外から来日予定のオリンピック関係者が減ってしまい、契約上はバス会社にキャンセルが出来なかったのかもしれない。

TVのチャンネルを切り替えたら、たまたま女子競歩を中継していた。
私は驚いた。中国の2選手がお臍に大きなシールのようなものを貼っていた。
1人は赤、もう1人は黒のシールだった。他にそんなことをしている選手はいないので、やたら目立っていて、それが気になって仕方なかった。
後でネットで調べたら、「汗がヘソに溜まるのを避けるため」だそうだが、出口の無くなった汗がもっと溜まるのでは? もっと他の理由があるのでは?

私の関わりのあるベトナムからも、24人の選手が参加している。
そこでベトナムの日本語学校の副校長に、ベトナムでのオリンピック報道に付いて聞いてみた。
ところが現在のベトナムでは新型コロナウィルスの蔓延が激しく、オリンピックどころではないそうだ。
ホーチミン市はロックダウンされている。
しかもベトナム選手が活躍することも無いので、殆どの人はオリンピックなどに興味を持っていないそうだ。

(おまけの話)
アメリカに住む女房の従弟に、アメリカでの東京オリンピックに関して聞いてみた。
その結果は当り前なのだが、少しガッカリした。彼から送られて来たメールを要約する。
1、アメリカ人の友人に聞いたら、「開会式は5人中、3人は見ていない」。
2、放送権をNBCが持っていてアメリカ人選手の活躍しか報道しないので、日本選手のことは分からない。
3、前回のオリンピックではゲームと並行して、その国の紹介映像が出たが、今回は全く無い。

『オリンピックの視聴率調査によると、「ロンドン大会は4000万人、リオ大会は2600万人、東京は1670万人で、段々と下がっています。庶民の興味度合いの調査では、「興味無し」が41%とは驚きで、更に驚くのは10%の人はオリンピックをやっていることを知らない。アメリカは1つの文化や価値観で連帯していないので、個人によって好き好きや興味が全く違って生きています』。

オリンピックからは離れるが、野球のことを聞いてみた。
日本では野球に興味も無かった人までもが、「昨日の大谷翔平はホームランを打ったか?」を気にするようになった。「あんな息子が欲しい」と、女房の友人が言っていた。
そしてメールに書かれていることを見て、少しガッカリした。
『大谷翔平なんて知っている人は、エンジェルスに熱狂するファンしかいないでしょう』。
彼のメールで「アメリカは広い。色々な人が住んでいる」と、再確認したのである。

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