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小さな話(50)

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【お弁当】
出先から家へ戻るために、新橋から東京BRTに乗っていた。
すると女房からLINEが届き、『体調が悪くなったので、帰りに三越に寄ってお弁当を買って来て欲しい』とあった。東京BRTに乗っているので次の停留所は「勝どき」で、私の家の前である。お弁当を買いに行くには、もう一度、都バスで銀座まで行かなければならない。

どうせ用事を頼まれたのだから、嫌々で受けるとありがたみも半減する。
そこで『買って帰ります』と返信し、東京BRTを降りた足で都バスに乗った。
お弁当は指示があったので、三越地下1階の「弁松」に行って買った。「一日一善」である。

「弁松のお弁当」(銀座三越)

【大規模修繕】
マンションの大規模修繕も夏休みだったが、やっと再開した。
私の住むフロアの廊下は床材が剝がされたままになっていたが、この日から下塗りが行われた。作業員も暑い中を大変である。でも最近の作業員はファン付の作業服を着ている。通り掛かりに『ご苦労さま』と言って、ついでに聞いてみた。

私  『そのファン付作業服は涼しいの?』
作業員『背中がファンの風で服と離れるので、あまり暑くない』
今では外で作業をする人は、みんなこのファン付作業服を着ている。メーカーは大儲けだろうなー。

 廊下の半分を張替え途中

【中央区まちかど展示館】
私の住む中央区には歴史的な文化を、今も伝えるお店がある。
他には町の神輿の保管場所などを含めて、区内に29ヶ所の場所を指定して「まちかど展示館」として公開している。古くからの店舗は店の一部を展示館としていたり、店そのものを展示館にしているところもある。

私は以前からこのような古い店を訪ねて歩き、今までに10ヵ所の展示館を見せてもらった。中には頑固オヤジが店主で、あまり愛想の良くない店もあった。
今回は以下の2ヵ所「伊場線仙浮世絵ミュージアム」と、「くすりミュージアム」を訪問した話である。

中央区「まちかど展示館」(全29ヶ所)

【伊場仙浮世絵ミュージアム】
ここは団扇と扇子の老舗「伊場仙」の店である。説明によると『創業400年以上を誇る「伊場仙」は、創業当初は竹材や和紙を将軍家に納めていましたが、その素材を使って江戸後期に団扇を手掛けるようになりました。さらに初代・歌川豊国、歌川国芳、歌川広重など人気絵師の版元になり、浮世絵を団扇に刷り込んで販売し、人気を博しました』とある。

店の場所の地図をプリントして持参し、浅草線の「日本橋」で降りて歩いて行った。途中で地図を広げて確認していたら、サラリーマンから声を掛けられた。彼は3人連れで2人は部下のようだ。私の持って来た地図を見ながら、『私の会社に近いから、一緒に案内します』と言った。

私は『申し訳ないから・・・』と言って断ったが、3人はいま来た道を戻って行った。そして店の見える場所まで案内してくれた。なぜあんなに親切なんだろう? 
店は小さく、沢山の素敵な扇子が飾られていた。そして店主の奥さんが、色々と説明をしてくれた。

「伊場仙」の店内

【くすりミュージアム】
この施設は製薬大手の「第一三共」が管理しているミュージアムである。
子供たちに人気があるらしく完全予約制でかなり先まで埋まっていたが、9月2日の12時からの予約が取れた。予約の時に「残りわずか」と出ていたのに、集合時間に集まったのは大人が4人だけだった。

見学場所の2階に行くとガイド付きではなく、センサーの付いたプラスチックのメダルを渡される。それを持って部屋の中に入ると小さく区切られたブースがたくさんあり、そこにある指定場所に渡されたメダルを置く。

すると目の前のスクリーンに映像が映し出されて解説が始まるが、音声が小さ過ぎて高齢者には聞こえない。最後の部屋で9分間の「自己複製型mRNAワクチン」の解説映像があった。ハイテクのお勧めの施設である。

「くすりミュージアム」

(おまけの話)【日本の論点】
以前に講談社のセミナーに行った時に、帰りに「2025 これからの日本の論点」という分厚い本をプレゼントされた。357ページもあり私には内容が重過ぎて、少しずつ読んでいたがなかなか進まなかった。
1ヶ月半で読み終ったが、知らないことも書かれていてかなり参考になった。

内容は「3つの重大論点」とあり、「ソフト化競争を占うティア0.5」、「中ロ朝の枢軸によって壊れる世界秩序」、「為替の行方は?円弱招く経済構造」と難しそうな話題ばかりだった。でも経済に多少は関わって生活しているので、本を読んで勉強になった。
でもセミナーも無料で2200円の本も無料とは、今頃になって申し訳ない気持ちを感じている。

これからの「日本の論点」

本の中で面白そうなテーマもあった。それが「推し活」である。
「推し活」というのは、自分の気に入ったアイドル、グループ、キャラクターなどを応援する活動である。単なる「好き」を越えて自発的に行動するのが特徴で、この経済効果は大企業でも無視できなくなった。渋谷にある「TSUTAYA」は2024年にCD/DVDのレンタルを止めて、「推し活の館」に模様替えした。

HPによると『世界中のIPによって、365日、国籍や世代を超えて、すべての人が夢中になれるコンテンツやイベントなどの体験と、私達ならではの居心地の良い空間を掛け合わせた体験を提供する新しい文化の聖地です』とあるが、私には難し過ぎる。
私は店内に入って驚いた。外国人だらけである。3階以上は有料のSHARE LOUNGEになっている。これもよく分からなかった。

「TSUTAYA SHIBUYA」

「デジタル化が進む弱い消費者」も面白かった。
「加速するダークパターン化」の項では、「旅行予約」を取り上げていた。
パーソナルプライシングという考えがあり、ある人が旅行サイトで宿の値段を見た。「もっと良い宿はないか?」と他を見に行き、「やっぱり」と思い元の宿のサイトへ戻る。

するとクッキーを使っているサイトはアリゴリズムで、こっそりと前より値段を上げて表示する。わざわざ戻った消費者は予約をする可能性が高いからだ。

「そんなことがあるのか?」と思い、私もネットで試してみた。
条件は「伊豆箱根」、「旅館」、「夕朝2食付き」、「禁煙」、「天然温泉」で試したが、この時は価格に変化は無かった。取扱い代理店やホテルによっては、アリゴリズムを使っているところもあるに違いない。

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伊達季節移住のススメ

心の伊達市民 第一号

北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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コメント(2件)

  • 親切なサラリーマン諸氏は「一日一善」を心掛けているのだろうか?その心掛けを「良し」としたい。一日に一回でも善行をすることで、された他人も勿論であるが、行った自分にも気分の良さが戻って来る。常に心掛けたいものである。今日から私も「一日一善」!!

  • 老舗「伊場仙」、創業400年と一言で言っても、それは実に“凄い”ことなんだと思います。江戸の全期、明治維新、日清日ロ戦争、を経て関東大震災、東京大空襲、終戦と、そんな激動の中を生き抜いて、伝統の商売を続けている、という事実に頭が下がります。

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