桜の開花が聞かれるようになった時に、『そうだ!六義園の枝垂れ桜を見に行こう』と思い立った。そして小雨が降る中を、都バスに乗って六義園に向かった。
都バスは「上野松坂屋前」から「早稲田」行きに乗り、「上富士前」で降りる。
シニア料金の150円を払って中に入ると内庭大門があり、そこから有名な枝垂れ桜が見る。大勢の人達が枝垂れ桜の前で、記念写真を撮っている。
しかし来るのが少し遅かったようで、花は満開を過ぎてかなり散っていた。
六義園は文京区にあり、1702年に川越藩主・柳沢吉保によって造園された。
吉保は和歌や文学の知識を活かし、風光明媚な紀州和歌の浦の景色や、万葉集や古今集に詠まれた景勝地を園内に88ヵ所も再現した。 江戸期からの景観を留め、文化や歴史を伝える六義園は、富士山や金閣寺などと並んで国の特別名勝に指定されている』。
庭園内のところどころにアクリル板が立ててあり、そこには風景に合わせた和歌が書かれている。アクリル板の和歌を通して庭を見るという、粋な計らいである。
【出汐湊】
「和歌の浦に 月の出汐のさすままに よるなくたづの こゑぞさびしき」
【妹山 背山 玉笹】
「いもせ山 中に生たる 玉ざさの 一夜のへだて さもず静けさ」
【玉藻】
「和船の浦に 千々の玉藻を かきつめて 万代までも 君が見んため」
【指南岡】
「尋行 和歌の 浦ぢの浜千鳥 あとあるかたに 道しるべせよ」
【心泉】
「心の泉 いにしえよりもふかく 詞の林 昔よりしげし」
【紀川上】
「朝もよひ きの川上を 詠れば かねのみたけに 雪ふりけり」
私が大学生の頃の話であるが、この近くに友人が住んでいた。
彼の家で麻雀をすることになり、4人が集まった。
その時に彼の高台の家の窓から見えたのが、六義園の庭だった。
(おまけの話)
雨も止まないし昼時になったので、またバスに乗り上野に戻った。
途中で不忍池が見えたので、そこで降りた。
こちらも雨というのに、大勢の花見客で混雑していた。
多分、半数以上が外国人観光客だと思う。
最近のアジア人は身なりも良くなり、顔つきも日本人に似て来たから分かり難い。
外国人観光客は旅行の日程の関係もあり、雨だからといって観光を止めない。
しかも欧米系の人は、なぜか傘をささないのである。
スワンボートに乗って楽しんでいる人達も多い。
私も以前に天気の良い日に1人で乗ったことがあるが、これはとても気持ちが良い。
ウミネコがそんな人達を眺めている。
ボート池を横目で見ながら、弁天堂の先の道路を横切って石段を上る。
そこはお花見のメインストリートの「さくら通り」である。こちらは更に人が多い。お花見をしながら歩く人のために、道路の中心に仕切りがあり一方通行となっている。
まだ満開には少し早いが、傘をさして桜を見て、みんな満足そうだった。今年の桜は予想外の気温と天候で、この先、どうなるだろうか?
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