図書館に本を借り出しに行った。
そしてこの日は「門仲」を散策する予定なので、バス停に行った。
するとバス停のパイプに、なにかぶら下がって揺れていた。
近寄って見たら、なんと「御守」ではないか!
新年から御守を落とすようでは、落とし主の今年の運勢はどうなるのだろう?
他人事ながら気の毒になったのである。
地元の人は「門前仲町」を「門仲」と言う。
江東区門前仲町は永代寺、深川不動尊、富岡八幡宮などの門前町として栄えて来たので、この名が付いた。表通りはあまり面白くないので、裏通りを歩いてみた。
清澄通りにある「赤札堂」の横を入る。店名からして「安売り」を現している。
すぐ右手にある路地が「辰巳新道」という名の飲み屋街で、新宿のゴールデン街の小型版である。ここには32軒もの飲み屋があるそうだ。夜になればネオンが輝き、オジサンたちが吸い寄せられるんだろうなー。酒を飲める人が、羨ましい!
辰巳新道の入口の角に、大きな真っ赤な提灯が下がっている。
「元祖 もつ焼」と大書きしてあり、この店が元祖らしい。
「もつ」と言えば定番は「もつ煮込み」だが、「もつ焼」は珍しいのか?
酒飲みでない私は、その辺の事情に疎いのである。
でもどちらにしても、私は「もつ」は好まない。
辰巳新道を横目で見ながら先に進み、次の路地を右に曲がる。
すると「10種類以上のワイン 飲み放題」、「30分 500円」という看板が目に入った。
ワインは普通は1杯で500円くらいではないのか?
それを「飲み放題」で500円で大丈夫か?
新宿歌舞伎町とは違うので看板通りでなく「ぼったくり」なら、すぐに潰れるだろう。
門仲は不思議な町だ。
「飲み放題」の店を先に進み、突き当りを左折する。
すると右手に「ちゃんこ 三重ノ海」の赤い幟が立っていた。
以前に両国で元相撲取りの経営する、土俵のある「ちゃんこ鍋屋」に行ったことがある。「三重ノ海」の店はビルの3階で、下から見るよく分からない。
家に帰ってからホームページを開いてみたら、メニューに料金表示が出ていなかった。
現役時代は大鵬、輪島、貴乃花などの時代の力士で、第57代横綱だった。
相撲取りは引退すると、なぜか「ちゃんこ鍋屋」をやる。
深川不動尊へ向かう参道の両側は「人情深川ご利益通り」である。
色々な日本情緒たっぷりの店が続く。途中には永代時というお寺もある。
右側には有機野菜の販売を行っている八百屋がある。
その店頭に可笑しなものが置いてあった。
それは大きな細長い冬瓜に、「明けましておめでとう。100円、500円玉が足りません。ご協力を!」と書かれていた。以前にこの八百屋で初めて巨大な「晩白柚(ばんぺいゆ)」を買ったことがある。
その時に初めて、私は晩白柚という名前を知ったのであった。
深川不動尊と富岡八幡宮にお参りしてから、もとの道を戻った。
それは往きに見た気になる店で、「水炊きらーめん」とあったからだ。
その店は鳥料理「有明」で、軍鶏鍋専門店である。
開店と同時に店に入り、昼だけ出す「水炊きらーめん」を注文した。
店内は広いオープンキッチンで、清潔感があって気持ち良い。
出て来た「らーめん」は洋風で、とても美味しかった。
思わず「3人前お土産」を買ってしまった。
(おまけの話)
都バスを「門前仲町」で降りたら、目の前に消防用の消火栓があった。
手入れが良くメッキが輝いていて、花壇の中にある。
それが花に囲まれていて、なんとも可愛げなので写真を撮った。
花の名前を調べたら、「つやぶき・艶蕗」というらしい。
「スプリンクラー」という文字が見えるので、どうやら個人のお宅のもののようだ。
花などに目が行く私に、自分で驚いている。
「深川人情ご利益通り」の突き当りが「深川不動尊」である。
深川不動尊の開創は1703年であるから、300年以上の歴史がある。
私は時々、ここへ行き護摩供養を見て来る。
ここで毎日、行われる護摩供養は法螺貝で僧侶たちが入場し、僧侶の読経に合わせて大太鼓、小太鼓、鉦、笛が鳴らされ、まるでジャズセッションのようである。
元気の無い時や、落ち込んだ時には、私はこの護摩供養で元気をもらって帰って来るのである。
深川不動尊を出て左に行くと、すぐに富岡八幡宮がある。
ここは1627年の開創だから、深川不動尊より少し古い。
6年ほど前に姉の宮司が弟に日本刀で切り殺されるという事件が発生し、しばらくは参拝者も絶えていたが、最近は元へ戻ったようだ。
本殿横に派手なデザインの、今年の干支の「辰」の絵が飾られていた。サラリーマン風の団体が、新年の参拝に来ていた。
この神社は「江戸勧進相撲」の発祥の地で、本殿裏手に「横綱力士碑」がある。また日本一で担げない巨大な神輿があったりと、なにかと有名である。
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