銀座にはヨーロッパの有名ブランド店が勢ぞろいしている。
これらの企業の多くはかなり儲かるらしく、文化活動に熱心に取り組んでいる。
そこで今回はそれらのブランド店の中にあるギャラリーを訪ねてみた。
【Cartier】(カルティエ)
晴海通りの銀座4丁目からすぐのところに、かなり前から「Cartier」が新店舗の開店のための工事をしていた。そして9月19日に遂にオープンの日を迎えた。
この店にはギャラリーは無いようだが、HPによると『アジア最大の総面積となるブティック内には、随所に日本人アーティストによる作品や、日本独自の美意識を反映した装飾が施されており、カルティエの卓越したサヴォアフェール(職人技)と日本の文化が織りなす、唯一無二で国際色豊かな空間として皆様をお迎えいたします』とある。
開店当日には入口の両側には背の高い白人男性のドアマンが2人立っていた。
入ってみたかったが私がお客になる可能性はゼロなので、敷居が高く感じられ今回は入らなかった。その内にチャンスがあれば、店内のアート作品を見るために入ってみたい。

【GUCCI】(グッチ)
少し目にここのギャラリーで「横尾忠則」の絵画展が開催された時に、私は見に行ったことがある。その時に予約はLINEで行うしか方法が無かったので登録をしたら、その後、LINEを通じて、時々、新製品の紹介が届くようになった。
削除しようかと思ったのだが、またアートの紹介があるかもしれないと思い削除しなかった。するとある日、『8月25日から新作を含む7点を追加展示します』と出ていたので、早速行ってみた。店に入ると店員が私をお客と思って、丁寧な対応なので、私は『横尾忠則の・・・』と伝えたらエレベーターで8階に案内された。
会場には男女2人の係員が待機していたので、『どれが追加の7点ですか?』と聞いたら2人とも分からなかった。以前に来たことのある私は中央に飾られた絵がそれと分かり、2人に教えてあげた。見学者は誰もいなかった。

【HERMES】(エルメス)
ここは私のお気に入りであるが、ブランド品がお気に入りというわけではない。
毎月1回の10階の小劇場での無料映画の観賞で、もう何年も前から見に行っている。
その時には8階と9階で開催されている、アート作品も見て帰る。
少し前に「体を成すからだをなす」という作品展を見たばかりだが、今回のブログの為に同じ作品展を見に行った。よく分からないアートは、2度見ても分からなかった。
それよりは1階のショーウィンドーの飾りが「アート」で、私は気に入っている。

【CHANEL】(シャネル)
銀座通りに面した「シャネル」には4階に「シャネル・ネクサスホール」があり、ここでクラシック音楽の演奏会と写真展が行われる時がある。クラシック音楽は抽選となっているが、今までに当選したことがない。
多分、「お客様リスト」に名前が載っていないからだろうと思う。
写真展は無料で申し込みも不要なので、開催されると私は見に行く。
10月4日からは「Synthetic Natures もつれあう世界:AIと生命の現在地」という、タイトルからして難解な作品展だった。
入口で渡された解説書によると『テクノロジーと生命、過去の科学史と未来の想像力が響き合う、アートとAIの交差点です』で始まり、長々と説明があるが、なんだかよく分からない。でも誰もいない会場で、1人で見るのは気分が良い。

【LOUIS VUITTON】(ルイヴィトン)
銀座通りにある「ルイヴィトン」が改装されてオープンしていた。
欧米ブランドはアートに理解があるので、『ルイヴィトン銀座店か、銀座並木通り店にアートギャラリーがあるに違いない』と考えた。
ネットで調べたら銀座にはギャラリーは無く、原宿の表参道店にあると分かった。
HPには『表参道店に足を踏み入れれば、まるで空に浮かんでいるかのような感覚に陥るアートスペースが、「エスパス ルイ・ヴィトン東京」。表参道店7Fに位置し、都会の街並みを見下ろす空間はとても非日常的。2011年にオープンし、・・・』
『現代アートに特化した芸術機関「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」の所蔵コレクションから毎回選りすぐりの作品を展示。入場料無料で気鋭のアートに触れることができる』とあった。原宿へ行くことがあれば、その時に見てみよう。

【SHISEIDO】(資生堂)
「資生堂ギャラリー」は銀座通りの8丁目の右側になる。
1階はお洋菓子売り場になっていて、私には入り難い場所である。
でも横の道から入れるドアがあり、そのまま地下一階のギャラリーに行けるので助かる。
現在は12月7日(日)までの予定で、「高田安規子・政子 Perspectives この世界の捉え方」が開催されている。
私は既に作品を見ているが、このブログの為にもう一度、見に行った。
資生堂は1人の作者の作品を長く展示するようだ。今回は8月26日から12月7日までだった。少し長過ぎないか?

【POLA】(ポーラ化粧品)
銀座通りを1丁目方面に進むと、左側に「POLA」がある。
そのビルの3階に「ポーラ・ミュージアム・アネックス」があり、いまは中村 萌の「CONNECT CONNECT」を開催している。 「中村 萌」という名はどこかで見たと思い、必死になっても思い出せない。若い頃とは違うと痛感した。
HPに載っている作品を見て思い出した。「MARUNOUCHI STREET SUMMER」の同じような作品があった。
作品は子供のようでもあり、性別不明でなんとも不思議な彫刻だった。
童話の世界に入り込んだような気分になる。心が休まることは確かだ。
会場には3人の人が見に来ていて、盛んに写真を撮っている。その人達が邪魔で、なかなか私は写真を撮れなかった。
*私の結論『アートは無理に理解しようと思わずに、ただ感じれば良い』。

(おまけの話)【青山学院大学で写真展】
同級生のNさんからメールが届いた。
『私の所属する青山学院大学校友会のAGフォトクラブの写真展が開催されます。会場はキャンパス15号館3階です。会場には壁一面に東郷青児作の巨大壁画が掲げられ、それを見るだけでも価値のある会場です』とあった。
「誘われたら断らない」を信条としている私は早速出掛けて行った。
青山学院は渋谷駅から少し遠いので、暑い中を歩くのは嫌だなとは思った。そこで渋谷から都バスに乗って、青山学院中学校前まで行った。私は前を車で通ったことがあるが、青山学院大学の中に入るのは初めてだった。

校門の守衛に15号館の場所を聞いて、そちらに向かい「15号館」と書いてある建物に入ったら、そこは立派な礼拝堂だった。外へ出て通り掛かった学生に『東郷青児の壁画のある場所はどこですか?』と聞いたが、彼は分からなかった。
仕方ないので隣の建物にあった売店で、同じことを聞いたが分からない。
彼女はスマホで調べてくれたら、礼拝堂の隣だった。
エスカレーターに乗って3階に行くと、受付に女性が1人座っていた。記帳を済ませて写真を見る。写真はみんな上手だ。
特にNさんの写真は、北海道霧多布の野鳥を撮影していて素晴らしい。
すると写真の後ろに東郷青児の壁画があった。
後にNさんからのメールで知ったが、『東郷青児は青山学院中等部を卒業している。
そこで『青山の児』という意味で、「青児」と名付けたのだそうだ。

写真展を見終って15号館から外へ出たら、ちょうど昼時になった。
そこで良い機会だと考えて、校内の「学食」に行ってみた。
近くの建物の1階にある学食はすごく広く、清潔だった。
券売機の前で「なにを食べようか?」と迷ったが、後ろに学生が並んだので「塩ラーメン」(350円)のボタンを押した。食券を持って麺類コーナーに行くと、すぐに塩ラーメンが出て来た。席に座り塩ラーメンを食べたが、とても美味しかった。
周りを見渡してみたが、茶髪・ピアスの男は殆どいない。「真面目な大学だなー」と感心した。また彼らとは60歳以上も違うので、「若いって、いいなー」とも感じたのである。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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中村萌氏は、若干30歳の若手のホープです。《素材と技法:楠(くすのき)などの丸太を削り出し、油絵具で彩色する独自のスタイル 作品の特徴:妖精のような姿をしたキャラクター。植物や雲をまとった造形。目を閉じたり、片目を瞑ったりする表情が多く鑑賞者の想像を促す。》とAIは教える。故郷を思い起こさせる素朴な造作が嬉しい。芸術品で私の感性に初めて合った唯一の作品である。