ブログ閉鎖中の話題(2015年2月15日)
津南町という町は日本一の降雪量で有名な土地である。
住所は新潟県中魚津郡津南町である。
魚沼郡と言えば、有名なブランド米の「こしひかり」の故郷である。
この豪雪が美味しい米を生み出しているのだろう。

町を出ると、道路の両側に除雪した時の雪の壁が出来ている。
石川県にベトナム人実習生を訪ねて、そのまま東京に戻るのももったいない。
そこで思い出した。昨年末に「豪雪の津南町が雪崩で孤立」という情報をテレビのニュースで見た覚えがある。

農家民宿「sunberry 」の玄関。
そこで年甲斐も無く、いつもの悪い癖で豪雪を見てみたいと思ってしまった。
インターネットで調べたら、津南町は越後湯沢駅からバスで1時間ほどの場所にあり、意外とアクセスが良いことが分かった。

宿の2階の窓から見た風景。
色々と情報を集めると、「農家民宿」というのにブチ当った。
良くは分からないままに、民宿が何軒かある中から面白そうなので「農家民宿」を予約した。農家民宿に電話をしたら、「バスで町役場前で降りてくれれば、そこに迎えに出る」ということになり、金沢のホテルを出発した。

食事は粗末で、野菜とこんにゃくだけ。
バスを降りると、そこは意外と普通の町だった。
雪も「豪雪」という感じは受けず、最初から少し期待外れだった。
迎えの軽自動車で町外れに出て驚いた。ものすごい豪雪である。
立山の「室堂」にも負けない雪の壁が延々と続く。

民宿の前の通りは、雪の壁が背の丈より高い。
しばらく走り、横道に入るとそこが農家民宿だが、見た目は普通の家だった。
2階に上がると4部屋の客室があるが、お客は私1人だけだった。
宿の2階から見る風景は一面の雪原で、遠くに転々と民家が見える。
私はカメラを持って、近所を散策して写真を撮る。面白い題材が山ほどある。

民宿の主が朝から除雪する。
この町の人口は1万500人で限界集落だそうで、奥さんはよそ者なのに観光協会の会長になり、町の活性化に協力している。 食後は話が弾み、9時過ぎになった。
雪崩で孤立するのはもう少し奥の集落だと聞き、翌日に行くことにした。

近所では主人が屋根に上って、雪下ろし。
(おまけの話)
この宿は70歳代の夫婦で経営していて、なんと東京からの移住者だった。
25年前にサラリーマンを辞めて、農業がしたくてここに移り住んだのだそうだ。
色々と試行錯誤をした結果、今は「手作りのジャム」と「エゴマ味噌」が生活を支えている。よくある話だが、私は本物の農家に泊まりたかった。

朝は3時から除雪車が走り回る。民宿の道には6時に来た。
この民宿にはテレビは無い。彼らはいつもラジオを聴いている。
メインルームの暖房は薪ストーブで、客室には小さな石油ストーブがある。
トイレにはウォッシュレットは無く、食事は自家製の物ばかりなので肉も魚も出ない。
私の想像していた農家民宿は「こんなはずじゃない」と思ったが、言うこともできず我慢する。

近所の牛舎の前を除雪するフィリピン人の嫁を持つオヤジ。
寝具にシーツも使わないので、少し気持ちが悪い。毛布1枚の上に掛け布団が2枚乗る。夜は寒さと布団の重さで目が覚める。部屋の中の気温が4度なのである。
朝起きて顔を洗ったら、水が冷たくて手が切れそうであった。
「正しい日本の田舎」という感じはするが、近代文明に目覚めてしまった私には辛い。
こういう生活に彼らは本当に満足しているのか?、聞きたかったが聞けなかった。

夜は民宿の風呂は小さ過ぎるので、近くの温泉に連れて行ってもらった。
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