「今とむかし 江戸と東京」の第2回目である。
1回目で浮世絵と実際の光景があまりに違うので、少々、気が抜けている。
それに広重は自分の目線で描いていないということも、自分で現場に立って分った。
広重の描いた絵は実際の自分の居る場所ではなく、目線よりかなり高い位置から想像で描いていると分ったのである。また川も実際より、かなり広く描いている。

「永代橋佃しま」 向かいはリバーシティ21
愚痴を言っても始まらないので、「永代橋佃しま」に行った。
この絵は夜の光景を描いているが、私は夜が弱いので昼間の写真となった。
次は隅田川のテラスを歩いて上流に向かう。隅田川大橋~清州橋~新大橋と歩いて行く。
新大橋は広重の傑作で、有名な「大はしあたけの夕立」が描かれた場所である。
広重の絵は上空から橋を見下しているが、そんな場所は実際には無い。

「大はしあたけの夕立」 現在は鉄骨吊り橋
この日は暑い日でかなり疲れたので、先には進まず戻ることにした。
門前仲町まで戻り昼飯を食べて、今日の最後は「深川三十三軒堂」である。
門仲から木場方面に向かうと、5分くらいで富岡八幡宮の前に出る。
その先の平久川に架かる汐見橋方面を描いたのが「深川三十三軒堂」であるが、原風景は全く面白くない。

「深川三十三軒堂」 現在はビルが建って、なにも見えない。
日を改めて、「両国橋大川ばた」に行った。ここへ行くには都営新宿線の「浅草橋」が近いと分った。
駅を降りて歩き出したが、どうも風景が違うし隅田川に出ない。
交差点の標識を見たら、どうやら反対方向に歩いて来てしまったようだ。
腹が立ったが、「この目的はウォーキングだ」と自分を慰めて歩いて行った。

「両国橋大川ばた」 なんとなく雰囲気はある。
次は浅草で「吾妻橋金龍山遠望」、「浅草金龍山」の写真を撮ったが、ここは土地勘があるので全く問題なく撮影を終えた。そしてこの日の最後の「隅田川水神の森真先」に行った。
都バスで20分くらい行き、「汐入公園前」で降りたが、初めて来た場所なので方角が分からない。
そこでスマホのGoogle Mapで浮世絵の地図にある「隅田川神社」と入れて、ナビに従って歩き出した。
しかし私の思っていた方向と違う。途中で地名を入れ直してみたら、2通りのルートがあり、私の思っていた方向は「5分遅い」と出た。そこでナビを信用して、もう一方の5分早い道を行くことにした。

「吾妻橋金龍山遠望」 キリンビール側から浅草方面を見る。
ところがその道は途中で護岸工事で先に進めなくなり、もと来た道を戻る羽目になった。
スマホのナビは画面が小さく見難いし、信用も出来ない。疲れていたので、スマホに腹が立つた。
やはり私はデジタルより、家から地図をプリントしてアナログで持参すれば良かったと後悔した。
やっと着いた隅田川神社からは高速道路と護岸で前が塞がれていて、隅田川は全く見えない。
両国橋と隅田川神社で間違った道を徘徊する羽目となり、家に戻ったら万歩計は1万7835歩を示していた。
だがこの内の7000歩くらいは、間違えなければ歩かなくても良かった歩数であった。

「浅草金龍山」 仲見世通りの入口
今回の最後は「亀戸天神境内」であるが、また別の日に行った。
亀戸天神は藤の花が有名で、今までに何回も行っているので間違いようがない。
家の前のバス停から「亀戸駅行き」に乗り、終点の亀戸駅の1つ手前の停留所で降りれば、そこから徒歩数分である。広重の描いた場所はすぐに分るので、そこから写真を撮り、今回は終了とした。
そして亀戸名物の「亀戸餃子」を食べてから、家に戻った。

「隅田川水神の森真先」 隅田川神社の前から見る。
(おまけの話)
「深川三十三軒堂」の近くに有名な「富岡八幡宮」がある。
この神社のお祭りは「江戸三大祭」と呼ばれ、3年に1度行われる。
また日本一の大きさのお神輿もあるが、大き過ぎて担げず、今までに1度しか渡御していない。
また「江戸勧進相撲の発祥の地」でもあり、有名なものが盛りだくさんの神社である。

「亀戸天神境内」 今は藤の季節も終りヒッソリ。
ところが2017年12月7日に、それを上回る有名な事件が起きた。
宮司だった弟の品行が悪く、姉に宮司が変った。
それが面白くない弟は、なんと境内で姉を日本刀で刺し殺したのである。
そして自分の妻も殺し、自分もすぐ後に自決したという驚くような事件だった。

「横綱碑」(富岡八幡宮)
現在は社殿裏にあった姉の住んでいた2億円という家も、解体されて駐車場になっている。
今回、私もその場に行ってみたが、今は駐車場と「お炊き上げ受付」があるだけだった。
既にあれから4年が過ぎ事件も風化して来ているようだが、それでも昔の賑わいには遠いように思う。
神主が神様の前で人を殺すようでは、「神も仏も無い」と思う人が増えてしまったのではないだろうか?

「伊能忠敬像」(富岡八幡宮)
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