今日は経済学がサッカーに通ずる話。
最近、「僕は君たちに武器を配りたい」という本を読んでいます。この本、経済学の本です。資本主義経済についての本なんですが、経済を通して日本が抱えている問題点を鋭く指摘していて、なかなか面白い本です。
その中で、投資に関する部分がありました。日本では、投資についてはあまりいいイメージで語られることはありません。それは、投機と投資が混同されてしまっていることも理由の一つになっているようです。
投資については、欧米では職業としても一般的な職業の一つなんですが、海外の投資を職業としている方々から言わせると、日本人投資家は「リスクをとらなさすぎだ」と言われるそうです。
投資家という職業においては、成功するためには、失敗するかもしれないけど、投資をする機会を増やすことが重要なんだそうです。そうすることの説明の中で、メジャーリーグの選手査定の例が紹介されていました。
日本の野球選手の評価の仕方の中で、守備がうまい人というと、エラーが少ない人と捉えられるかと思います(野球は専門じゃないので、異論はあるかもしれませんが)。でも、守備のうまさをエラー数で判断するのは、大きな問題があるそうです。
なぜなら、誰でもとれるフライをキャッチしても、ヒット性の当たりを危険を冒してダイビング・キャッチしても、補殺数は1とカウントされることになります。
従って、実際には難しいボールを捕りに行かない消極的な選手ほど、守備がうまいことになってしまうそうです。
なので、メジャーリーグでは、エラー数で守備を評価するのではなく、自分の守備範囲でどれだけアウトに貢献できたか(直接アウトにしたかではなく)という観点で評価するそうです。
要するに、消極的なプレーは評価されず、エラーをするかもしれないけどアグレッシブにプレーすることが求められるということです。
経済活動でも同様で、必ず全てのことが成功するわけではないので、投資の回数(分母)を増やして、失敗の数よりも成功の数の方が多くなるようにしなければならないというのが、一般的な考え方なんだそうです。
これを読んで、「なるほどなぁ」と思うと同時に、これってサッカーと同じだなぁとも思いました。
サッカーにおいての成功は、まずは試合に勝つこと。試合に勝つためには、得点を挙げることと失点をしないことが重要です。
得点を挙げるためには、最終的にはゴール前に人もボールも飛び込んで行って、うまくいかないかもしれないリスクを負わなければなりません。
うまくいかなければ相手ボールになり、攻撃に人数をかければ後ろは手薄になるわけで、カウンターで失点するというリスクが高くなります。
でも、そういうリスクをかけて攻撃しないことには、得点というリターンが返って来ません。失点するかもしれないというリスクに対して、得点というリターンがついてくるんですね。
サッカーは足を使う分だけ、なかなか思い通りにならないスポーツなので、一度の攻撃で得点に繋がることは少ないので、失点の可能性が高くなるリスクを負ってでも、攻撃の回数を増やさないと、得点というリターンが生まれないんですよね。
守備でも同じ。球際の勝負では、倒されて置き去りにされるかもしれないリスクを負って、コンタクトしにいかなければボールを奪うというリターンは生まれないし、届かなくてシュートをフリーで打たれてしまうかもしれないリスクを負って、スライディングしなければ相手の攻撃を食い止めるというリターンは生まれません。
前にブログでも触れましたが、「転ばぬ先の杖」を用意され過ぎた今の子ども達は、ハイリスク・ハイリターンという考え方をなかなか受け入れてくれないんですよねぇ。
これだけ「転ばぬ先の杖」を用意されてしまいえば当然なんですが…
日常の生活においては、ローリスク・ローリターンでも構わないと思いますが、せめてサッカーのときくらいは、ハイリスク・ハイリターンになって欲しいんですけどね。
以前、岐阜経済大学の高橋教授に講演して頂いたように、スポーツは「非日常」の世界なんですから。
サッカーに限らずですが、年齢が低ければ低いほど、ハイリスク・ハイリターンでいるべきだと個人的には考えています。なぜなら、ハイリスクで失敗したとしても、やり直す時間もチャンスもたくさんありますからね。
そして、社会ももっとリスクを負った失敗に寛容であるべきです。どうも、最近の風潮として、「いい加減にやった上での失敗」と「リスクを負った上での失敗」を混同してしまっている傾向があるように思います。
もっと、大人が失敗を「いい加減」が土台のものなのか、「リスクを負った」ものなのかを見極めて判断する必要があるんじゃないでしょうかね。
特にスポーツにおいては、子どもはプロではありませんから、そういう判断を大人がしなければなりません。
そもそも、子どもに限らず大人だって失敗するんですから、失敗に対して鬼の首をとったように騒ぐこと自体がナンセンスだと思うのですが…
資本主義経済の国で生きる子ども達ですから、サッカーの中からハイリスク・ハイリターンも、時にはありなんだということを学べるといいですね。
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