■洞爺湖 月浦のあたり
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「月浦ワイン」という銘柄のワインがある。ちょっと高級そうである。値段も普通に売っているものに比べると高めである。わたしは未だ飲んだことはない。きっと、おいしいのだろうと思う。
工場が、洞爺湖から海側の方に乗り越してきた辺りにあるので、月浦という地区は、海側なのだと思い込んでいたが、これは誤りで、どうも洞爺湖畔の西側地区のあたりを、そう呼ぶらしい。
先日この地区に行った時に、「月浦八幡神社」という神社があった。木立の道の奥に、苔むした階段があり、その上に赤い屋根の社が建っていた。あたりは木々に囲まれた静かな場所であった。
階段の脇の石灯篭や階段の上のこま犬も年代を経た趣がある。
「月浦自作農創設記念碑」を読むと、開拓の歴史が記されていた。
「洞爺湖畔の開拓には、明治20年に洞爺湖村に香川県移住団が、明治23年には月浦に伊予
大洲藩主加藤泰秋が農場を開設・・・(中略)、昭和12年、大平軍蔵、大平喜藤太らが自作農創設委員会を組織し地主と折衝の末、約350ヘクタールを36人の小作農民に5万2千円で売却することとなり、入植以来半世紀続いた加藤農場の解放が実現した(後略)」
洞爺水の駅には、讃岐うどん屋さんがある。洞爺湖のそばに「香川」、「財田(たからだ)」という地名がある。「財田」という地名は香川県にもあり(さいたと発音?)、そこが発祥地のようだ。
香川や四国からの移住者が多く、その名残が地名や名物うどんに残っているようだ。
先日伊達武者祭りの時、夕刻山車を見物に目抜き通りに出かけた。屋台の集る一角で飲んでいる時、相席した方と話をしたら向う洞爺に住む方だった。話の中にこの八幡神社のことが出てきた。
「その八幡神社で近隣のお祭りがあるのですよ。」いつも静かな境内にも、この時ばかりは、
♪村の鎮守の神様の きょうはめでたいお祭り日
という音楽が聞こえてきそうだ。
(09-9-9)