■ジオ弁当を考える
横浜 崎陽軒のシューマイ(シウマイ)弁当をたまに食べる。
上京した折、帰りの羽田空港で昼頃の便に乗るときは、早めに空港の待合室に入り、シューマイ弁当と缶ビールをもとめて、お昼にする。
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ご飯はたわら型に8つに区切られて、黒ゴマがかかっている。ご飯の真中に、青梅の漬物が乗っている。ご飯は、ササニシキを蒸気炊飯方式で炊いて、米粒が立っている。冷めてもおいしくいただける工夫で、発売当初からのこだわりのようだ。
シューマイは“昔ながらのシューマイ”が5個入っている。以前は4個だったが、過去にオイルショックのときに大幅値上げをした際に、1個増やした。
まぐろの切り身の漬け焼き、サイズが大きくもなく小さくもなく、ちょうどよい。
たけのこの甘辛煮、これも隠れたファンが多く、シューマイにつぐおかずとなっている。
鶏の唐揚げが二つ。かまぼこと厚焼きたまごは幕の内の定番アイテムで、最近かまぼこの厚みが7mmから8mmになったとは、シューマイ弁当マニアの弁。
箸休めの細切りしょうがと昆布の佃煮もご飯といっしょに食べると美味しい。
あんずの甘煮は、ほの酸っぱい味がする。
確かにご飯が冷めても硬めで美味しく思う。おかずとご飯を交互に食べながら、時々ビールをグビリと流し込む。
日本で一番売れている駅弁だそうだ。1日に17000食くらい、横浜で大きなイベントがある時には、30000食くらいが出ることもあるそうだ。
値段は、一時780円まで行ったときがあったが、その後値下げして現在は750円でやっている。初めて売り出したのが1954年(昭和29年)というから、58年の歴史をもつ弁当である。
長々とシューマイ弁当のことを書き連ねたが、当地でのジオパーク弁当(略してジオ弁当)のことを考えてみたいと思った。
ジオ弁当は、まだ確立はしていないようだが、これから売り出しを目指したいようだ。
日本の代表的な駅弁といえば、シューマイ弁当の他にも、横川の峠の釜飯や森のいかめし、長万部のかにめしなど名うての歴史ある駅弁はたくさんある。
これから“洞爺湖有珠山ジオ弁当”を多くのみなさんに認めてもらい、リピーターになってもらうには、これら先輩弁当に多くの学ぶべき点があるのではないかと思う。
何が受けて人気になっているのか?
食材の使い方、何が好まれているのか?味付け、大きさ
ご飯やおかずの配分、並べ方、
容器のデザイン・材質、包装の仕方
価格
代表的な駅弁は、数量をさばいているので、量産効果によるコストダウンが図られているだろう。ジオ弁当は、1日、何千、何万食は期待できないだろうから、量産によるコストダウンは難しいだろうが、1000円は切った価格に設定したい。
その範囲で、量も質も満足いただけるお弁当を提供したい。
洞爺湖・有珠山地域というか、西胆振地域の代表的なあるいは特徴の出せる食材とは何であろうか?
目の前の噴火湾では、鮭をはじめ、ホタテ、タコ、いか、カレイ類、ぶり、毛がに、など豊かな魚介が獲れる
畜産品では、豊浦のSP豚、伊達の黄金豚、奥洞爺牛など。
野菜 伊達や壮瞥、洞爺湖町 きゃべつ、白菜、長ネギ、ブロッコリー、カリフラワー、長いも、たまねぎ、にんじん、きゅうり、かぼちゃ、じゃがいも、とうきび(とうもろこし)、レタス、みず菜、トマト、なす、ささげ、絹さやetc
果物 伊達や壮瞥、豊浦のいちご、さくらんぼ、ぶどう、りんご、プラム、メロン、スイカetc
以下は、この5年間の伊達での暮らしからの知識やわたしの好みから勝手に思ったメニュー案である。皆さんからの案をいただきたいところです。
魚介では、鮭とホタテとタコを使いたい。
鮭は、切り身を付け焼きにするか、細長い角棒状にした柔らか燻製にしてレタスで巻く。鮭の塩味をレタスが和らげる。
ホタテは、山椒などをいれて薄口に甘辛く煮るか粕漬けにして焼き物で提供するか。
タコは噴火湾の名物だと思う。本当は浅くゆでた生のお刺身に近い状態のものが美味しいと思うが、お弁当としての日持ちのことを考えると熱を加えねばなるまい。オホーツクの方の名物にあったが、“タコの柔らか煮”で提供できないだろうか。だれもが噛めて食べきれるとよい。
お肉は、豚肉を採用したい。この地域の豚肉は柔らかく美味しい。
「お肉を食べた!」という印象が残るように、“4cm角の大きさで、厚さ1cm”のお肉をトンカツに仕上げる。これに合うオリジナルソースが開発されるといいのだが。
もし、コストが許すなら、牛肉のうま煮の一片がつけば、満足度が増すだろう。
魚介とお肉で食べ応えのある5品がつけば、かなり主張するお弁当になるのでは!?
野菜類もこの地域は豊富だ。
カリフラワーの甘酢漬け。軟白ネギは、炙ったものも美味しい。
白菜やキャベツも何かお弁当用に加工できないだろうか?
長いももこの地域の特産だ。信州にもあるが、梅酢漬けのものなんかは、さっぱりとして魚介・肉類のおかずの箸休めになる。
ほうれんそうやささげの胡麻和えなども付くとありがたい。
じゃがいも、かぼちゃ、トマト、ナスなどもうまく調理できるといいのだが。
デザートの果物は、その季節によりいちご、さくらんぼ、メロン、ぶどうなどは生でそのまま提供。りんごはシロップ煮などに加工して提供。
ご飯は、冷めても美味しくということが基本だと思うので、炊き方の研究が必要だろう。
この地域は、長和とか財田とかのお米の産地があるので、そこのお米が提供できたらいいのだが。
以上は、思いつくままのわたしの勝手なメニューです。皆さんの「たたかれ台」になってディスカッションしていただければ幸いです。
包装紙かメッセージカードに、
ジオパークとは?の説明と、お弁当についての能書き、例えば
「このお弁当の食材は、この地域の太古からの火山活動で育まれた大地や海からの恵みを加工しております。火山は時に人間に怖い一面も見せますが、変化に富む地形や美しい風景をわたしたちに与えてくれます。そんな美しい風景と共にご賞味ください。」なんて書き添えたらどうでしょう?
ちなみに、JR北海道の毎月の車内誌には、北海道の「駅弁紀行」の欄があり、こんなのもお弁当の研究の参考になろう。
(2012-8-20記)