■同じ釜の飯を食った仲間
47年前にニューヨークで一緒に働いていた友人達が、引越し先の我が家にやって来た。 当時、一緒に働いた仲間は15人だったが、この年になると色々と事情が出て来て、平日の昼間でも来られるという幸せな条件の5人が集まった。
22歳の元気な盛りに野心を持ってニューヨークに渡った仲間達は、将来はどんな大物になるのだろうかと私は秘かに期待していた。
それは自分にも当てはまるのであるが・・・。
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一般的に考えれば、みんなかなり成功していると言える。
上場会社の社長や役員になった者や、中小企業の社長もいる。だが、世間に名前を知られるほどの成功者は出なかった。でも、みんな「内福」である。
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関西では「内福」と言って、「あまり目立たないが、内実は豊か」であることを良しとするようだ。
これは関西系の父親を持った女房から聞いた。
引退オヤジ達の話は原発から始まって民主党政権の話となり、最後は年金の話になった。
その話を聞いて、私は羨ましくなってしまった。
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M君と私を除いた3人は、なんとアメリカ政府からの年金も受け取っている。
しかもドルで送金されるので、これからの円安傾向を考えると、ドンドンと支給額が増えそうである。
この5人は、ニューヨークで「同じ釜の飯を食った」仲間である。
アメリカだから、「同じテーブルで飯を食った」というべきかもしれない。英語にそういう言い方はあるのかなー?
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(おまけの話)
我が家で暫く過ごした後に、みんなで銀座に繰り出した。
「繰り出した」という言葉を最近は聞かなくなったが、あれはまだ日本が絶好調の時代の言葉なのだろうか?
銀座にはNY時代を一緒に過ごしたダンボちゃんがいる。
彼は私よりかなり年上だが、まだ銀座でバー「ダンボ」を開いている。
昨年に行った時にダンボちゃんは『来年の春で店を閉める』と言っていたのだが、常連さん達に引き留められて、いまも渋々やっている。
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今回はもう最後と思い、女房も一緒にダンボへ連れて行った。
半畳くらいの狭いバーカウンターの中から、40年以上もお客の人生を見て来たダンボちゃんの言葉は重い。
こんなに本格的な洒落たバーが、銀座から消えてしまうのは残念である。