■メキシコからのメール
インターネットのお陰で、私達は居ながらにして色々な情報に接することが出来るようになった。 色々な関係の友人達が、私の知らない世界を教えてくれる。
沖縄のF君からのメールでは珍しい南国の風景と共に、東京にいては分からない沖縄の置かれた状況を知ることが出来る。
ロスの親戚のIさん、ワシントンのKさん、ホーチミンのS子さんからも、たまではあるが写真が届く。
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上海のKさんは事業が巧く行っていないのか、最近は音沙汰が無い。
メールが来ると嬉しいが、来ないと心配である。
「便りの無いのは良い知らせ」というのは、通信が発達していない時代の話であって、今は「悪い知らせ」ではないかと心配している。
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そんな時に、同級生のH君がメキシコから写真を送ってくれた。
メキシコらしい雰囲気のある写真で、居ながらにしてメキシコ旅行をした気分になった。
その少し前は、同じH君がニュージーランドから写真を送ってくれた。
息子を訪ねて、毎年、日本の冬に行っている。
その時は、あちらでは真夏である。
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私も今までに色々な国に行った。
だから旅先から楽しそうな写真が送られて来ても、羨ましくはない。
ただ、「元気だなー」と思うだけである。
羨ましいのは、H君がまだ社会から必要とされていることだ。
今回のメキシコ行きも、現役の人達を仕事で案内して行っている。
家族はまだ外国へ行きたいようだが、私はもう卒業したいので、勝手に行ってもらうようにしている。
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(おまけの話)
かなり前に女房とアメリカ西海岸をドライブしながら、ゴルフ旅行した。
その時にサンジェゴに泊まった。
サンジェゴはアメリカとメキシコの国境の町である。
なんとなくメキシコに行ってみたくなり、車で国境の検問所に向かった。
ところが、知らなかったこととはいえ、「レンタカーでメキシコには行けない」と係官に言われた。国境はメキシコに行く車で溢れている。
バックは出来ないし、どうにもならなくなった。
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見かねた係員が誘導してくれてなんとか戻れたが、それが残念で、近くに車を止めてバスで国境を越えた。
そして着いたのが、ティファナという町だった。
今では麻薬の巣窟となっている町だそうだが、その当時もかなり危険な町だったそうだ。知らないということは、恐ろしいことである。
あれが私のたった1回だけのメキシコ経験である。