■遠くの親戚より、近くの大蔵屋
この標語を見て、「にやり」とした人はJR中央線を利用していた人である。新宿に向って高円寺駅の前か先か忘れたが、車窓からこの大きな看板が見えた。 これは質屋のキャッチコピーで、「旨い事を言うなー」と、いつも感心して見ていた。その看板が無くなって久しい。
それなのに、突然のようにこの言葉が頭に浮かんで来た。
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そのキッカケとなったのが、北海道からのアスパラガスであった。
壮瞥町の農家のIさんから電話があり、『アスパラガスを送る。自家用に栽培したので形はバラバラだが、新鮮なので美味しいと思うよ』と、言っていた。
確かに美味しかった。
まだ全部食べ終っていないのに、伊達市の長老のKさんからまたアスパラガスが届いた。
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食べ切れなくて無駄にしてもいけないので、私は近所に住むO君にお裾分けし、女房は築地市場の贔屓の店のオバサンにもプレゼントした。
それで終りかと思ったら、「お伊っ達本舗」のIさんから、『東京で橋本さんに伊達産のアスパラを友人達に紹介して欲しいので、サンプルを送る』と、メールが入った。
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食糧不足の子供時代を送った私にとっては、有り余る食べ物は気持ちを豊かにしてくれて嬉しい。
東京は大震災で一時的に食料が不足するという経験をした。
そんなことからだろうか、「遠くの親戚より、近くの大蔵屋」という言葉を突然思い出したのである。
でも私の場合は、「近くの親戚より、遠くの農家」ということになる。
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(おまけの話)
遠くの農家が、東京に販路を開拓するのは至難の業だと思う。先ず大きな課題として、運送費が掛る。
それに運送に2日間かかるので、鮮度の問題もある。
運送費が掛るから、消費者としても一度にある程度の量を買わないと合わない。でも最近は核家族化が進み、2人暮らしが増えた。
そうなると、量が多いのは困る。
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これでは堂々巡りでジレンマに陥る。
だから鮮度があまり問題とならないような米とか、ジャガイモでないと売り難い。
それでも新鮮な野菜を売りたいと思うなら、その場合は自分で八百屋を出すしかないと思う。
その内にお伊っ達本舗中央区販売所を開いて欲しい。
それまでは、私が1人でシコシコと友人達にメール販売をします。