■2時間だけ滞在した大金
引越しをする為に住んでいる家を売った。 そして引越し先のマンションを買った。
どちらの場合も不動産仲介業者のお世話になった。
この契約に関して、私は伊達市の不動産会社L社のK社長に相談した。
彼のアドバイスで、仲介手数料というのは交渉によってまけてもらえることを知ったのである。
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そこで私の地元の大手不動産会社のM社に、仲介手数料の割引を提案したら、OKとなった。
売却契約は1月7日にM社の事務所で行った。
その後、すぐに気に入った物件が見付かり、1月15日に購入の契約を行った。
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それから引越しまでは2ヶ月近くある。
これは私の都合ではなく、購入した業者の資金繰りの関係だった。
その間に相手が契約を破棄すると、手付金の倍返しとなるのだそうだが、倍の金額を返されても私達は困る。
引越しの準備をしながら、「早くその日が来ないかなー」と1人で気をもんでいたのを女房は知らない。
そしてやっとその日が来た。
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朝の11時にM社の事務所に行って、残金の支払いを受ける。実際は振り込みなので、通帳の数字が動いただけである。
その足で幡ヶ谷に向い、午後1時にS社の事務所で購入するマンションの代金を支払った。
これでやっとマンションの鍵をもらえた。
現役の時に見て以来の大金は、わずか2時間だけ私の預金通帳に滞在しただけで去って行ったのである。
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(おまけの話)
引退してから大きなお金に接する機会が無くなった話である。
引越しを前にビックカメラで冷蔵庫とDVDを買った。
そしてカードで支払いをしたら、係の女性は電話でVISAに問い合わせをしていた。
私をそんな高額の物を買うような男じゃないと怪しんだのだろう。
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VISAの係員に電話を代れと言われたらしく、私は受話器を渡された。『こちらの買い物で30万円の限度額一杯です。この代金が決済されるまで、もう買い物は出来ません』と言われてしまった。
たまたまSUICAとビックカメラが一体となったカードを使ったのであるが、そのカードはJRの自動改札を通る時しか使っていなかったので不審に思われたのかもしれない。
もう私には30万円以下の価値しか無いのかと思ったら、急に寂しくなってしまった。