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[2006.11.09]
■ネルドリップ珈琲200円也 in新橋
これは、10/30の「おのぼりさん 〜パフェ編」で触れた、私がカフェを始めるきっかけの一つとなった、新橋駅地下の喫茶店のお話です。 
 
 



私も何度か連れて行ってもらった、新橋駅地下にあったその喫茶店は、父が仕事帰りに必ず立ち寄る店でした。 
比較的広い店内は、いつも満席に近い状態で、そのお客様のほとんどは、父のように勤め帰りの男性で、いかにも新橋らしい風情をかもし出していました。 
 
父も下戸でしたが、その店は、上の写真のような所で「一杯やってくか!」と出来ないお父さんたちの、溜まり場のような存在でした。 
けれども、談笑することを目的としているわけではなく、あくまでも一杯200円のネルドリップ珈琲の美味しさを楽しみに、ただそれだけのために来ているように見えました。 
 
私は、初めてその喫茶店に連れて行ってもらった時、強い衝撃を覚えました。 
 
店内にはなんの飾りもありません。 
メニューはどこにもありません。 
水も出てきません。 
席に座ると、何も注文していないのに、珈琲がすっと出てきます。 
テーブルに砂糖はありません。 
ミルクも付いてきません。 
ある時、隣の人がミルクを頼んだら、なんとマヨネーズの赤い蓋に入ったミルクが出てきました。 
 
ここの常連さんたちは、ブラック好きがほとんどなのでしょう。 
誰も皆、ごくごくと珈琲を飲むと、サッと帰っていきます。 
言うなれば、座ってはいるけれど、駅構内の「もり」しか出さない「立ち食い蕎麦屋」の喫茶店版みたいな感じ。 
 
私はそこへ行く度に、目を真ん丸くしてそんな光景を見ていました。 
 
 
さて、私がとても惹かれたのは、その珈琲の淹れ方と味でした。 
大きなやぐらにバケツほどのネルを被せ、ポットから細く静かにお湯を注いでいるマスターの姿は、店内の慌しさや、マヨネーズの蓋のミルクのがさつさは微塵も無く、繊細で愛情さえ感じる丁寧な淹れ方で、とても素敵に見えました。 
 
驚くほど回転の早い店ですから、一度にたくさん淹れられた珈琲を、提供前に鍋で温めてはいても、味の衰えは全く感じさせない美味しさでした。 
残念なことにその店は、もう無くなってしまったのですが、あの時の風景と珈琲の味は、確かに覚えています。 
 
 
私が、ネルドリップの珈琲を淹れるカフェを開こう!と決めたのは、この店で受けた衝撃がずっと心に残っていたから、というのが一つの理由でした。 
 
何十年も経っても、「れん」の珈琲が忘れられないと言っていただけるように、私も頑張ろーっと♪ 
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Rietty
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☆ブログの解説 
日々の暮らしの中で、出会った「いとをかし」な人・動物・物・風景などを綴ります。 
「いと」 
1)非常に。大変。事態が並々でないさま。本当に。  
「をかし(おかし・い)」 
笑いたくなるような面白さがある。滑稽である。普通でなく奇異な感じがする。異常だ。変だ。興味深い。おもしろい。風情がある。情趣がある。優れている。立派だ。ほほえましい魅力的なさま、心をひきつける趣深いさまを表す意。 
(大辞林より抜粋) 
さて今日は、どんな「いとをかし」に出会えるかしら...。 
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